研究課題/領域番号 |
15201007
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
有薗 幸司 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (70128148)
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研究分担者 |
篠原 亮太 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (40316188)
古賀 実 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (40131916)
松崎 弘美 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (30326491)
冨永 伸明 有明工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30227631)
武政 剛弘 長崎大学, 環境科学部, 教授 (70039684)
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キーワード | 線虫マイクロアレイ / 酵母マイクロアレイ / 金属影響 / 土壌汚染評価 / バイオアツセイ / カスタムチップ |
研究概要 |
DNAマイクロアレイ技術を利用し、土壌汚染や環境水或いは大気の抽出成分の内分泌かく乱作用や生態影響評価を行う基礎情報の蓄積をセンチュウ及び酵母の市販及びカスタムチップで行ってきた。これまで数十種類の環境に放出されていると想定される化学物質(重金属類、界面活性剤、農薬並びに農薬製剤、天然化学物質等)、それぞれマイクロアレイ解析された。例えばセンチュウ全CYP遺伝子群の中で典型的なCYP1A誘導剤3-メチルコラントレン曝露により、CYP35遺伝子群を中心にCYP13A、34A、CYP35A、35B、35Cなど多様な遺伝子の発現誘導が認められた。他のCYPIA誘導剤であるβ-ナフトフラボン、PCB52、ランソプラゾール曝露によりCYP35遺伝子群が発現変動することも確認しており、このことからセンチュウのCYP35遺伝子群は、哺乳類のCYP1Aに類似した生理的機能を有していると考えられる。 これらのデータからこれら誘導される遺伝子は化学物質のこれまでに確認されている特有の毒性を反映していること、すなわち、未知の化学物質や環境サンプルの毒性を評価できることを明らかにできたが、今回これらの化学物質の複合作用に着目し、多くの化学物質を3-5物質として群分けしたモデル土壌試料も作成評価した。今後さらに土壌をはじめとした複合汚染の場合、誘導される遺伝子について化学物質のこれまでに確認されている特有の作用がどのように変化するのか情報を得る必要があると考えている。さらに酵母マイクロアレイを用いて環境水中の生態系への複合毒性について、混合毒性データーを積み重ねて、経験的に対処するデータベース化を目標とし、下水処理水、産業廃棄物最終処分場浸出水、各種工場排水、大学排水、或いは大気抽出成分などの環境試料への応用も試みる。
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