研究課題
DNAマイクロアレイは多くの遺伝子変動を短時間でスクリーニングできる有効なツールである。しかし、塩基配列の違いから幅広い生物種間に応用することは極めて難しく、この手技を様々な階層の野生生物に用いる為には、各々の生物特有のアレイの開発が必要である。そこで、より簡便に広範囲の野生生物に対応する次世代環境影響評価システムを開発することを当該研究の目的とする。平成16年度のプレリミナルな研究により、野生げつ歯類をもちいた生体影響の解析にマイクロアレイが有効であることが分かった。そこで、今年度は、野生げつ歯類を捕獲し、体内に蓄積している汚染物質を同定し、濃度を調べ、それらの動物への影響を遺伝子レベルと酵素活性レベルで明らかにすることを目的とした。特に異物代謝酵素の発現と活性の変動、性ホルモン合成系の酵素の発現と活性の変動をDNAマイクロアレーや免疫学的手法、酵素活性測定法などにより明らかにし、これらの変動と、汚染物質の蓄積濃度との相関の有無を検討することを計画した。また、網羅的アレーを徹底解析するよりも変動の大きい遺伝子のDNAで作成した簡便なアレーのほうが費用効率も時間的な効率もよく、解析も簡単なため、簡便で実用的な環境汚染の生態影響評価用DNAマイクロアレーの開発のために、アレー上にのせるべきDNAを検討した。上記目的のために、様々な環境から捕獲した野生のドブネズミの肝臓を用いて、蓄積するダイオキシン類、有機塩素系農薬に加え、ポリ臭素化ジフェニルエーテル(臭素系難燃剤)についても、個体別の分析を行った。また、ドブネズミの精巣及び肝臓からRNAを抽出し、マイクロアレー解析を試みた。対照を実験室飼育ラットとし、変動のあった遺伝子(CYP1A1、CYP17、StARなど)の発現量は、リアルタイムRT-PCRにて確認した。
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