研究課題/領域番号 |
15201010
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
熊谷 忠 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90089805)
|
研究分担者 |
矢野 昌裕 独立行政法人農業生物資源研究所, 分子遺伝研究グループ応用遺伝研究チーム, チーム長 (50355749)
田中 淳 日本原子力研究所高崎研究所, イオンビーム生物応用研究部, 室長 (80343911)
山本 和生 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (20093536)
日出間 純 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (20250855)
|
キーワード | 紫外線UVB / 耐性機構 / ピリミジン二量体 / 光回復酵素 / 植物 / イネ / イオンビーム / QTL解析 |
研究概要 |
平成15年度の各研究ユニットの研究課題とその成果について記す。 (1)イネのUVB感受性とCPD光回復酵素活性に関する遺伝学的解析とCPD光回復酵素遺伝子の解析(東北大・院・生命科学)(熊谷・山本・日出間) イネCPD光回復酵素遺伝子(cDNA)を、新規に開発したPCR-増幅法を用いてクローニングした。光回復欠損大腸菌で発現させた所、大腸菌の欠損を相補した。大腸菌を用いて部分生成したイネ光回復酵素は、FADを内在し、CPDを光依存的に修復した。また、UVB抵抗性ササニシキと感受性サージャンキでは、光回復酵素のアミノ配列が異なることで活性が異なることを見いだした。これら2品種間の交雑後代を材料に、UVB感受性と光回復酵素活性・遺伝子型との関係に関する遺伝解析を行った結果、UVB抵抗性は光回復酵素活性に強く依存していることが判明した。 (2)イオンビームを用いたシロイヌナズナ紫外線耐性・感受性突然変異体による変異原因遺伝子の解析(原研・高崎研究所)(田中) イオンビームで誘発したシロイヌナズナの新規紫外線感受性突然変異体の原因遺伝子を解析した結果、「誤りがちな損傷乗り越え複製」機能を持つ動物や酵母のREV3に高いホモロジーが見られたため、AtREV3と命名した。本遺伝子を欠如した上記突然変異体rev3-1では、正常な植物体に比べて突然変異率が数%に低下するという結果を得た。 (3)イネの紫外線抵抗性に関与するQTL(qUVR-10)の解析(生物資源研)(矢野) イネ品種日本晴(UVB抵抗性)とKasalath(感受性)の雑種後代を材料にQTL解析を行ったところ、少なくとも3つの遺伝子座がUVB抵抗性に関与することが明らかとなった。それら3つのQTLのうち、最も寄与率の高いqUVR-10はCPD photolyaseをコードしており、その過剰発現体はUVB抵抗性が上昇することがわかった。
|