研究課題
基盤研究(A)
本研究では、内分泌撹乱物質の標的臓器として胎盤に注目し、化学物質によって任意の胎盤機能が変化した場合に、胎児へどのような影響が及ぶのかを検討することを試みた。まずヒト胎盤内分泌機能に対する化学物質の影響を検討するために、ヒト絨毛細胞株を用い、ステロイドホルモン合成関連酵素の遺伝子発現変動について検討を行ったところ、トリブチルスズ、トリフェニルスズを初めとする有機スズ化合物が、アロマターゼと17β-hydroxysteroid dehydrogenase Iの活性をmRNAの発現を伴って上昇させることが確認された。また、この結果を反映してこれらの有機スズ化合物は、ヒト絨毛細胞株のエストラジオール産生を促進した。さらに有機スズ化合物は、核内受容体であるretinoid X receptor(RXR)とperoxisome proliferator-activated receptor(PPAR)γのデュアルリガンドとして作用することを見いだし、ヒト胎盤の内分泌機能に対する影響はRXRを介したものであることを確認した。しかしながら、実験動物として汎用されている齧歯類の胎盤には元来アロマターゼが存在せず、エストロゲン合成能がないため、先述のようなヒト胎盤に対して認められた有機スズ化合物の影響をin vivoで評価することが出来ない。そこで、マウスの胎盤に特異的にアロマターゼを発現させたトランスジェニックマウス(Tgマウス)を用いる方法と、RGDファイバーミュータントアデノウイルスベクター(ファイバー部分にRGD配列を持たせたもの)を用いて外来的に胎盤でアロマターゼを発現させるという2通りの手法を用い、胎児に対してエストロゲンが過剰供給された場合の影響をin vivoで評価できるモデルの作成を試みた。その結果、アロマターゼを胎盤特異的に発現するTgマウスを作成することに成功した。
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