研究課題/領域番号 |
15201014
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
遠山 千春 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究領域, 領域長 (10150872)
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研究分担者 |
米元 純三 独立行政法人国立環境研究所, 環境ホルモン・ダイオキシン研究プロジェクト, 総合研究官 (30072664)
青木 康展 独立行政法人国立環境研究所, 化学物質環境リスク研究センター, 室長 (20159297)
大迫 誠一郎 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究領域, 主任研究員 (00274837)
西村 典子 独立行政法人国立環境研究所, モン・ダイオキシン研究9ウロジェクト, 主任研究員 (10097800)
掛山 正心 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康健康保険領域, 研究員 (30353535)
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キーワード | ダイオキシン / ポリ塩素化ビフェニル / TCDD / PCB / 遺伝子プロファイル / 複合曝露 / 毒性 |
研究概要 |
本研究は、実験動物に対してダイオキシン異性体の中でもっとも毒性が強い2,3,7,8-TCDD(以下、TCCDと略す)とポリ塩素化ビフェニル(PCB)の複合曝露を行い、複合曝露に伴う・依存性と非依存性に現れる毒性の量・反応関係を明らかにし、遺伝子プロファイル解析により毒性発現メカニズムの分子基盤に関わる情報を定時することを目的とする。TCDD及びPCB異性体混合物のAhR依存性と非依存性毒性の影響指標の同定と量・反応関係を解析すること(フォワード・トキシコロジー)、DNAマイクロアレイによる遺伝子発現変動プロファイル解析(リバース・トキシコロジー)を行う。学習行動に対するTCDDとPCB126(1998年WHO TEF=0.1)の影響を比較検討したところ、興味深い結果が得られた。すなわち、TCDD50ng/kg及び800ng/kgの母体曝露により学習行動が顕著に妨げられ、200ng/kgではむしろ反応率の増加が認められたが(昨年度成果)、TEQ等等価量のPCB126においても同様に、50ng TEQ/kg (500ng/kg)により低下、200ng TEQ/kg (2000ng/kg)により反応率の上昇が認められたことから、この影響パタン、はTEQをほぼ反映した毒性すなわちTCDD毒性であることが示唆された。さらにPCB126の高用量曝露(8000ng/kg)では、TCDDではみられない顕著な学習低下がみられ、PCB126のもつ非TCDD毒性が存在する可能性が示唆された。非TCDD毒性について明らかにするため、現在非コプラナーPCBであるPCB153の曝露影響を解析を行っている。また、TCDDとPCB153の複合曝露実験を開始した。DNAマイクロアレイ等による遺伝子プロファイル解析、精巣、前立腺、胸腺などの器官培養系についても曝露実験を開始した。
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