研究課題/領域番号 |
15201018
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小名 俊博 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10346835)
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研究分担者 |
後藤 雅宏 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10211921)
坂井 克己 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30015656)
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キーワード | 植林 / 廃棄物 / 熱分解 / 液化 / 反応熱分解 / 酵素重合 |
研究概要 |
反応熱分解液化装置の開発では、システムがほぼ完成した。既存の熱分解装置に対する新規の特長として、(1)メモリー効果の除去、(2)自動化、の2点が挙げられる。(1)の特長により、既存の熱分解装置に比べ、熱分解管に残った熱分解物による次の試料への汚染がなくなり、再現性が高まったと考えられる。また、既存の装置では、熱分解管の交換を主としたメンテナンスのたびに熱分解装置を停止させなければならず、多くの時間と煩雑な操作が必要であったが、それが不必要となり、連続的に熱分解を行うことが可能になった。さらに、(2)の特長により、手動での添加も不必要となり、短時間で多くの試料の熱分解が可能になった。 反応試薬の検討では、既存の熱分解装置を用いて、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)および水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)の2種類の有機アルカリ試薬の検討を行った。試料は、現在植林廃棄物となっているユーカリ樹皮を用いた。TMAHを用いた場合では、通常の熱分解に比べ、反応熱分解成分が複雑で、TBAHの場合では、通常の熱分解とあまり変わらなかった。このことから、より簡素な組成の熱分解物を得るにはTBAHの方が適していると考えられる。 酵素重合についての検討では、既存の熱分解装置をもちいて得られたユーカリ樹皮の熱分解物および樹木の熱分解性生物として木タールを用いてペルオキシターゼによる重合を試みた。ユーカリ樹皮熱分解物、木タールともに沈殿物が認められ、重合物が得られた。
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