研究課題/領域番号 |
15201022
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 (2004) 東北大学 (2003) |
研究代表者 |
長尾 忠昭 独立行政法人物質・材料研究機構, 若手国際研究拠点, 主幹研究員 (40267456)
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研究分担者 |
櫻井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
サドウスキ J.T. 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40333885)
藤川 安仁 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70312642)
高村 由起子 (TAKAMURA Yukiko) 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90344720)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 有機分子性結晶 / 超薄膜 / MBE / 結晶成長 / STM / 金属コンタクト / 低速電子 |
研究概要 |
本研究では半導体-半導体、半導体-金属エピタクシーにおいて我々がこれまで蓄積してきた豊富な知見をベースとして、"分子層レベルのエピタクシー制御"が可能な有機分子MBE(OMBE)法により、有機分子性結晶の、高品質エピタクシャル超薄膜の作製とその原子レベルの成長ダイナミクスおよび、物性の解明を行うことを目的とした。導電性有機分子超薄膜などの伝導性ソフトマテリアルは、次世代マイクロエレクトロニクス材料として、ここ数年Si基盤を中心として半導体基盤へのヘテロエピタクシーの研究が活発に行われている。このような導電性ソフトマテリアルの超薄膜は、従来のRHEEDなどの高速電子プローブやトンネル電子を用いた手法には馴染まず、非破壊の"ソフトプローブ"つまり、プローブ線量のきわめて少ない低速電子プローブや重荷の注入の生じない原子間力顕微鏡(AFM)による原子レベル研究が望まれていた。本研究では高感度低速電子ソフロプローブである高分解電子エネルギー損失分光装置(HREELS)、スポット分析低速電子回折(SPA-LEED)、超高真空温度可変ノンコンタクトAFM装置(UHV-VT-ncAFM)、及低速電子顕微鏡(LEEM)などを駆使し、精緻に制御された新しい有機分子の超薄膜またはその人工格子を作成し、その物性探索を行ってゆくことを目標とした。電子状態、周期性を系統的に変化させたシリコン表面超構造または、シリコン上の高品質金属ナノ薄膜を成長させた結果、例えば、半金属ビスマス超薄膜が、その特異な電子状態と高い結晶性からアセン系分子性結晶超薄膜の高品質膜の成長に大変有効であることを見出した。特にペンタセン超薄膜の成長においては、数十ミクロンに亘るドメインサイズを持つ高結晶性エピタクシャル単分子膜が、濡れ層を介さずに、直接下地基板上に成長することなどが明らかにでき、高品質有機超薄膜成長用の伝導性テンプレートとして有効であることなどを解明できた。これらの新たな知見を応用して、さらに高次の積層構造を持つ有機分子へテロ層の構築やそれを用いたナノ薄膜ELデバイスなどへの可能性が拓けた。
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