研究課題/領域番号 |
15201026
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹田 精治 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70163409)
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研究分担者 |
大野 裕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80243129)
河野 日出男 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00273574)
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キーワード | ナノファブリケーション / 電子照射 / 半導体 / 表面 / 吸着原子 / ナノ触媒 / 表面テンプレート |
研究概要 |
電子線照射によってナノメーターサイズの物質構造を生成するための基礎実験を行っている。 1)ナノ触媒を生成するテンプレートの電子線照射による作成 シリコン結晶のナノワイヤーを成長させるためには、触媒としてナノメーターサイズの金属微粒子を基板上に作成することが必要である。水素終端したシリコン基板は、必要な大きさおよび形状のナノ触媒を生成するテンプレートとして有効と考えられる。この水素終端表面の一部を電子照射することで、蒸着した金属とシリコンが高温(約500℃)で相互拡散して合金液体となりうることを確認した。未照射の部分では蒸着した金属は水素終端のために基板側のシリコンとは接しないために金属粒子の多くは固体状態を保ち有効な触媒としては機能しないようである。以上の成果の一部は、11.研究発表欄の第1論文に記述してある。 2)シリコンおよびシリコン・ゲルマニウム結晶における電子照射効果 電子照射によって生成する点欠陥集合体の構造を透過電子顕微鏡法によって研究した。シリコン・ゲルマニウム結晶においては{113}面欠陥以外に微小な2次欠陥が生成することを確認した。熱的な安定性を調べたが、{113}面欠陥とは異なる挙動を示した。 一方、シリコン結晶に極低温で電子線を照射すると微小なボイド欠陥(空格子点の集合体)が生成することを示唆する実験データを得た。これは極低温でも電子線照射下では空格子点が移動できること意味する。電子線によるナノファブリケーションのために手がかりとなる基礎データが得られたと考えられる。 以上の結果は11.研究発表欄の第2および第3論文に記述してある。 3)荒れた表面における吸着原子の熱的挙動 意図的に電子照射によって荒れを導入したシリコン表面に金属を蒸着して熱処理をおこなった。その結果、平坦で清浄なシリコン表面における金属原子の拡散定数は荒れの関数として記述できることを検討している(発表予定)。
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