研究課題/領域番号 |
15201026
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹田 精治 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (70163409)
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研究分担者 |
河野 日出夫 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教授 (00273574)
大野 裕 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80243129)
市川 聡 大阪大学, ナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構, 特任助手 (80403137)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | 電子線照射 / シリコン / ナノファブリケーション / 金 / 金属ナノ粒子 / シリコンナノワイヤー / 自己形成 |
研究概要 |
本研究ではシリコンなどの半導体結晶に電子線を照射して生じる現象を基礎的な構造研究の立場で明らかにすることを目的とした。電子線照射によってシリコン結晶内部に発生する格子欠陥の構造解析に加えて、シリコン表面に発生するナノホールの直径と空間分布、さらに深さの照射条件依存性を詳細に明らかにした。この実験データは今後、表面ナノホールを応用するために必要な基礎データとなる。さらに、電子線照射を利用して、金のナノ粒子をシリコン表面上に人工的に配列する新しい現象を見いだした。実験手順は、1)平坦表面の作成、2)その表面上の特定領域へ電子照射、3)照射領域を含む表面へ金の蒸着、および、4)蒸着後の熱処理、である。一連のプロセスは全て超高真空環境下で行った。。その結果、金ナノ粒子は照射領域の中心部あるいは周辺部に選択的に成長する場合があることが分かった。さらに、電子照射表面における金原子の拡散について模擬計算を行った。すなわち、平坦なシリコン表面に電子ビームを照射すると、ビームの強度プロファイルに応じて、原子レベルの"荒れ"が導入され、この荒れが吸着金原子の表面拡散に影響を与えると考えた。一般的に知られている表面上での吸着原子のクラスタリングの理論を"荒れ"た表面に拡張し、表面拡散や核形成などの吸着原子の動的過程について、実際に数値計算を行い、定性的に実験結果を説明した。さらに、選択的に成長する金ナノ粒子が、シリコンナノワイヤーの成長に適していることに着目して、実際に、シランガスを使用したCVD法によって選択的にシリコンナノワイヤーを成長させることに成功した。以上の成果は、電子線照射を利用した半導体ナノファブリケーションに今後応用される。
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