1.ナノギャップ電極間に存在する有機分子の電気特性 少数分子における電気伝導機構を明らかにするために、10〜100nmのナノギャップ電極を作製し、そのギャップにルテニウム錯体をトラップした。その電気特性を種々の温度において計測して、解析し、温度により伝導機構が変わることを発見した。 2.自己組織化と電子線リソグラフィーを併用するナノギャップ電極の作成方法 分子の自己組織化を利用して、5〜20nmのギャップ電極を作製し、そこに金ナノ粒子を存在させることで設計通りの単電子素子が形成できることを明らかにした。 3.巨大分子の合成とその固体表面上での自己組織化 ポルフィリンポリマーやオリゴマーを作製し、それらの固体表面上での形状の制御の研究を行った。 4.マイクロギャップ電極上での金ナノ粒子・有機分子複合体の作製とその電気特性 金ナノ粒子・有機分子複合体をマイクロギャップ電極上に作製して、その電気特性の温度変化の研究を行った。その結果、分子軌道を通っての伝導と思われる電気特性を見出した。また、金ナノ粒子が存在する場合にのみ光応答性が出ることを見出した。 5.カーボンナノチューブ/有機分子複合体の自己組織化とその電気特性 カーボンナノチューブを電極として用いて、有機分子の電気特性を原子間力顕微鏡の一種であるPCI-AFMで計測した。その結果、半導体性のカーボンナノチューブを用いると種々の分子が整流性を示すこと、金属的なカーボンナノチューブを用いると分子は半導体的な挙動を示すことを見出した。
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