研究課題/領域番号 |
15201032
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
民谷 栄一 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (60179893)
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研究分担者 |
中野 秀雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00237348)
森田 資隆 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (80303353)
高村 禪 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (20290877)
岸 裕幸 富山医科薬科大学, 医学部・医学科, 助教授 (60186210)
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キーワード | バイオチップ / プロテインチップ / 細胞チップ / タンパク合成系 / 抗体 / ドラックスクリーニング / PCR / 半導体微細加工技術 |
研究概要 |
申請者らは、マイクロチャンバーアレイをチップ技術にて作製し、これを用いてPCRやタンパク合成などを実現した。 このマイクロチャンバーアレイは、1つのチャンバーの大きさが10〜100μm程度であり、チャンバーの数も104〜107程度まで作製することができている。チップの材料はシリコン基盤や透明なポリマー材料(PDMSなど)を用いた。まず、直径100×100μm、深さ15μm、容積は約150pLのものと、直径10μmもしくは20μm、探さ15μm、容積は約1pLもしくは5pLのものを作製した。本研究で作成したチャンバーはPDMSシートに貫通穴があるため、チャンバー底面にはガラス面が露出している。PDMS表面は疎水的な環境であるため、水溶液はチャンバー中にのみ留まりやすくなっている。この特性はチャンバー間での溶液の混合を防ぐために有効に作用する。Cell-freeタンパク合成系には大腸菌由来の細胞抽出液を用い、発現タンパク質にはグリーンフルオレセントプロテイン(GFP)を用いた。Cell-freeタンパク合成系には多種類のタンパク質が含まれており、それらのタンパク質がチャンバー壁面へ吸着することで活性を失うことが考えられた。そこでマイクロチャンバー壁面への吸着を防止するために、ウシ胎児血清(BSA)もしくは界面活性剤(Tween20を使用)によるを試みた。BSAもしくはTween20の水溶液を終濃度0.1%もしくは0.01%でin vitroタンパク合成試薬に混合し、その後チップ上でGFPを発現させた。その結果BSAを使用した際にGFP蛍光強度の上昇が確認されたが、Tween20を使用した場合では変化は観察されなかった。また、GFP発現に必要な一チャンバーあたりのDNA分子数の下限値を検証した。直径10μmのチャンバーを用い、一チャンバーあたり1、10、100分子のDNAが存在するように希釈したDNA溶液を用いて実験を行った。その結果、一チャンバーあたり10分子程度のDNAが存在すればGFP由来の蛍光が検出可能であることが確認された。 また、作成したマイクロチャンバーを用いて細胞チップを作成した。すなわち、B細胞を1個ずつ配置し、その後特定の抗原刺激後を調べることにより、特定のB細胞を選別するこが可能となる。これにより任意の抗原に対するモノクロナール抗体を選択することができると考えられる。そこで、1細胞の配置できるチップアレイを作製し、抗原刺激後のカルシウム応答の測定を行った。こうした抗原刺激応答のあったB細胞については、所定の方法でこれを回収することもできた。回収されたB細胞は1細胞PCRにより、特定認織部位の遺伝子配列を増幅、入手することが可能である。
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