研究概要 |
平成18年度は,最終年度として,平成17年度までの成果を元に,さらに高性能なMEMSアンテナの構造の検討を行うとともにミリ波用のMEMSスイッチング素子の構造の検討と試作実験を行った. 具体的な内容は下記のとおりである. 1)指向性ミリ波アンテナ素子の構造の再検討 熱を加えて誘電率を変化させる構造をH17年度まで検討した,ミリ波領域での誘電体の誘電率変化を検討し有効な材料の検討を行うとともに,H17年度に作製したヒーター素子の機能特性と断熱構造の計測と評価を行った結果、熱分布の制御を行えば所望の特性を得ることが分かった。しかし、デバイスの断熱構造を膜のレベルから再度検討しないと、実用化できないことがわかった。 2)ミリ波用のスイッチング素子の検討をH17年度に継続して行い,H17年度に考案したX-Barタイプの試作と評価を行った。作製したデバイスの変形特性および残留応力による初期形状を計測し、成膜時の残留応力が問題となることが分かった。膜の残留応力制御の方法を検討するとともに、新たな構造を検討を行った。 3)リコンフィグラブルを実現するためのアクチュエータを有する動的可変な磁気回路を作製するため、磁性粒子をPDMSに埋め込み、それを外部地場で駆動する方法を考案し、その可能性を検討した。
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