研究課題/領域番号 |
15201039
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
植田 洋匡 京都大学, 防災研究所, 教授 (70026186)
|
研究分担者 |
堀口 光章 京都大学, 防災研究所, 助手 (60190253)
石川 裕彦 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60263159)
小森 悟 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60127082)
余 偉明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60251716)
花崎 秀史 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (60189579)
|
キーワード | 大気海洋相互作用 / モデルカップリング / 気象モデル / 波浪モデル / 直接数値計算法 / 格子ボルツマン法 / 高潮 / 並列計算 |
研究概要 |
サブテーマ1:強風時の大気海洋相互作用に門する研究 高波浪上の風波と砕波の問題は、大気海洋相互作用の研究で最大の障害であるが、近頃になって非接触な光学的測定法の開発により、流速と温度、濃度の同時測定、面的測定が可能になり、我々もこれに貢献してきた。これらを用いた室内実験、観測により、研究の急展開を図った。 DNS(直接数値シミュレーション)、LES(ラージエディシミュレーション)法による乱流、非線形波動の解明を図る。さらに、我々が行ってきたRDT(Rapid Distortion Theory)による安定成層流の理論研究やKdV方程式、fbrced KdV方程式による非線形波動の理論研究を発展させて、砕波の起こる直前までの波浪上の風波の理論を展開した。 サブサブテーマ(a),(b)ではそれぞれ大気側、海洋側の挙動を調べる。サブサブテーマ(a)では気相側の運動量、熱、水蒸気の乱流輸送機構を、サブサブテーマ(b)では海洋波の発達機構を調べた。 サブ・サブテーマ(a):高波浪時の大気側の運動量、熱、水蒸気の乱流輸送機構の研究 高波浪(うねり)の上に形成される風波や砕波が海面抵抗に及ぼす影響、海面抵抗に占める圧力ドラッグ(圧力分布の非対称性に起因する抗力)と摩擦ドラッグ(摩擦による抗力)の割合を明らかにした。ここで、圧力ドラッグと摩擦ドラッグの総和である海面抵抗が、大気側の運動量輸送量であり、風の抵抗力である。また、これが高潮・高波の発達のエネルギーになる。また、海上風の熱や水蒸気の輸送量は摩擦ドラッグに比例する。これが、台風やそれに伴うメソ擾乱の原動力である。この概念は本研究の新しいところである。 サブ・サブテーマ(b):高波浪時の海洋波の発達機構の研究 大気側から海面に輸送される運動量に対応した海洋波の発達を明らかにした。2次元波、3次元波について砕波の起こる直前までの発達過程を追跡した。 サブテーマ2:メンスケール気象海象総合モデルの研究 「気象モデル」と「海象モデル」を「大気海洋相互作用インターフェース」を介して統合し、「メソスケール気象海象総合モデル」を構築し、モデルの妥当性を、室内実験、現地観測データおよび自然災害事例(科研費「突発災害」調査データ)のケーススタディにより検証して、モデルの予測精度を確定した。本年度は準備段階とし、来年度に本格的な研究を実施する。
|