研究課題/領域番号 |
15201045
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
斉藤 和季 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00146705)
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研究分担者 |
山崎 真巳 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (70222370)
野路 征昭 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (80271534)
高山 廣光 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (90171561)
有田 正規 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教授 (10356389)
金谷 重彦 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (90224584)
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キーワード | メタボロミクス / メタボローム / トランスクリプトミクス / 機能ゲノミクス / シロイヌナズナ / グルコシノレート / 自己組織化マップ / DNAマイクロアレイ |
研究概要 |
野生型シロイヌナズナを通常の硫酸イオン濃度の培地で約3週間栽培したのち、通常培地または硫酸イオンを含まない培地に移植して、経時的に葉と根をサンプリングした。フーリエ変換イオンサイクロトロン質量分析(FT-MS)による非ターゲット代謝物分析と、HPLCやキャピラリー電気泳動によるアミノ酸や糖、有機酸などのターゲット代謝物分析を組み合わせて網羅的な代謝プロファイリング(メタボローム解析)を行った。また、同一のサンプルを用いてDNAマイクロアレイにより21,500遺伝子の発現変化を調べた。自己組織化マッピングによって網羅的な代謝物と遺伝子のクラスタリングを行ったところ、含硫黄二次代謝産物であるグルコシノレートの蓄積が同調的に変化していることがわかった。グルコシノレート基本骨格生成の各段階にかかわる酵素遺伝子は、sulfotransferase遺伝子などを除いて同定されているが、それらの発現も同調的に変化していた。自己組織化マップ上これら既知の生合成酵素遺伝子と同じクラスターに属し、putative sulfotransferaseと機能注釈がされている遺伝子は、グルコシノレート生合成に関与するsulfotransferaseであることが強く示唆された。この機能未知遺伝子の組換えタンパク質を大腸菌を用いて合成しin vitroでその酵素活性を測定したところ、実際にグルコシノレート生合成における硫酸基転移反応を触媒することがわかり、この遺伝子の機能が証明された。これは植物メタボロミクスによる遺伝子機能同定の最初の例のひとつである。
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