研究課題/領域番号 |
15201045
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
斉藤 和季 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (00146705)
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研究分担者 |
山崎 真巳 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教授 (70222370)
野路 征昭 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助手 (80271534)
高山 廣光 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (90171561)
有田 正規 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教授 (10356389)
金谷 重彦 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90224584)
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キーワード | メタボロミクス / シロイヌナズナ / トランスクリプトミクス / 多変量解析 / 自己組織化マップ / 栄養ストレス |
研究概要 |
一括学習型自己組織化マップ(BL-SOM)を活用することにより植物科学の分野で得られるポストゲノムの多変量データから生物学的に有用な知見を効率よく抽出できることを例証した。我々はBL-SOMをフーリエ変換イオンサイクロトロン質量分析(FT-ICRMS)による代謝物蓄積量の網羅的測定(メタボローム)とマイクロアレイによる遺伝子発現解析(トランスクリプトーム)を行うポストゲノム的手法による植物の栄養ストレス応答に関する研究に応用した。メタボロームデータの解析では、まずBL-SOMの可視化機能により植物の栄養ストレス応答の全体像をメタボリックフィンガープリンティングとして直感的に把握できる様式で示すことができ、初めて植物が栽培条件や組織に依存して代謝物蓄積量プロファイルを大きく変化させていることを明らかにした。また、BL-SOMのもうひとつの特性である優れたクラスタリング機能を利用して、精密質量数から化合物名をかなりの確からしさで推定することができ、欠乏させた元素を含む重要な二次代謝物の蓄積量が経時的に大きく変化することを明らかにした。トランスクリプトームデータの解析においては、適切な時系列データをBL-SOMで解析することにより、その機能が塩基配列からの推定にとどまっていたり、全く機能の予測がされていない遺伝子の機能を複数の代謝経路において同時に効率よく正確に予測する方法を確立した。さらにこの方法によって予測した遺伝子の機能を酵素学的方法によって確認することができた。BL-SOMはポストゲノムの'omics科学の分野で大量に得られる異なった種類のデータを統合して解析する際にも極めて有用な知識抽出のためのツールとなる可能性を示した。
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