研究課題
基盤研究(A)
本基盤研究において、色々のアンフォテリシンB(AmB)の同位体標識体と脂質などの連結分子を化学的に調製し、NMRを用いてイオンチャネル会合体の構造解析を行った。まず、AmBチャネルが、一分子の長さで生体膜を貫通していることを、リン脂質と部分的に炭素-13標識したAmBの固体NMRを測定し、リン-炭素間の距離を見積もることにより証明した。また、AmBのアミノ基とカルボキシル基をアルキルアミンによって分子内で架橋した誘導体を調製し、エルゴステロール選択性を調べた結果、AmBとエルゴステロールの脂質二重膜での位置関係を推定することができた。次に、AmBとステロールの相互作用を調べる目的で、生合成的に得た全炭素-13標識AmBとフッ素化したエルゴステロールと化学的に結合させた連結体を調製した。この試料を用いてフッ素と炭素-13の距離を固体NMRの測定(REDOR法)によって見積もった。これらの情報を解析することによって、脂質二重膜中でAmBのポリエン部分とエルゴステロールのB環が接近していることを明らかにした。さらにAmBに位置特異的にフッ素および炭層-13標識するために、AmBのオゾン分解物から得られるポリオール部分に化学合成したポリエン部分を融合する合成経路を開発することに成功した。これらの標識体を用いて二量体を調整することができれば、固体NMRによって正確な原子間距離測定が可能となるので正確なチャネル構造を解明できる。一方、渦鞭毛藻が生産するアンフィジノールはAmBと構造的にも作用の点でも共通性と相違点があるので、その特異な膜透過化機構を精査した。その結果、アンフィジノールは大きなチャネルを形成すること、ポリエン側鎖が脂質膜内部に貫入し、エーテル環部分で分子がヘアピン型に屈曲することを明らかにした。
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