研究課題/領域番号 |
15201049
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大泰司 紀之 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (50001532)
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研究分担者 |
小倉 剛 琉球大学, 農学部, 助手 (10284960)
向井 宏 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (00013590)
鈴木 正嗣 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90216440)
内田 詮三 沖縄海洋生物飼育技術センター, 研究員
高橋 芳幸 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70167485)
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キーワード | ジュゴン / 沖縄 / 奄美大島 / 海南島 / フィリピン / 御嶽 / 海草 |
研究概要 |
沖縄嘉陽におけるジュゴンの摂餌場所での直接観察を720時間試みたが、夜間の観察が困難なため直接観察はできなかった。その期間の潜水調査では、ジュゴンが海草藻場に来て摂餌を行ったことが摂食痕調査の結果から判明した。また、海草の成長をマーク法によって測定し、摂食痕での海草の回復速度を推定した。 奄美大島笠利湾においてジュゴンの目撃情報が複数回あり、それに基づいて笠利湾の海草藻場の分布とジュゴンの摂食跡の調査を行った。その結果、これまで太平洋における熱帯海草藻場の分布北限は沖縄島と考えられていたが、新しく奄美大島にもまとまった熱帯性海草藻場が確認された。また、古いジュゴン摂食痕が一頓崎南西地点で数本が発見された。また、海草のバイオマスや成分の季節変化を調査した。目撃情報や海草の分布については南西諸島全域について調査を進めている。 2月に今までジュゴンの捕獲やstrandingの報告がある中国海南島北部を調査したが、海草藻場がほとんど発見できなかった。現地の人々からの証言によると、1990年代前半までは多くの場所に海草藻場があったが、最近の海岸開発(主として海老養殖場の建設)によって、ほとんど失われたということであった。もしこれが本当であれば、海南島でのジュゴンの回遊は、今世紀になっては見られていない可能性がある。同島西部の調査では海草藻場が残っていることが確かめられた。 フィリピンのパラワン島北部のRoxasで漁業者からの聞き取り調査を行った。それによると、過去5年間にのべ50頭近くのジュゴンが一つの網に入網している。Roxas湾では十以上の網が存在するので、ジュゴンの生息はかなり多いと思われる。 沖縄県竹富町新城下地島で御嶽の調査を行い、最小個体数49例のジュゴン頭骨を確認した。さらに詳しい調査を行うために、現地教育委員会や文化庁記念物課と協議を進めている。
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