研究課題/領域番号 |
15201049
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
大泰司 紀之 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (50001532)
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研究分担者 |
向井 宏 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (00013590)
小倉 剛 琉球大学, 農学部, 助教授 (10284960)
平山 琢二 琉球大学, 農学部, 助手 (00274887)
金子 正美 酪農学園大学, 環境システム学部, 助教授 (00347767)
高橋 芳幸 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70167485)
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キーワード | ジュゴン / 沖縄 / 奄美大島 / 海南島 / フィリピン / 御嶽 / 海草 / 新城島 |
研究概要 |
第9回国際哺乳類学会において、これまでのフィリピン、海南島、沖縄における調査を含め、共同研究者の向井がコーディネーターとなってジュゴンのシンポジウムを実施した。 フィリピンのミンダナオ島マリタにおける向井らによる調査は、引き続き観察塔からの行動調査を実施したほか、現地大学SDAMASTの協力を得て、9ヵ所の観察点で毎日3ヶ月にわたって観察した記録を得、解析を行った。 海南島の調査は、同島に在外研究で滞在している平山が、海南師範大学の研究協力者李らとともに、同島沿岸全周の海草藻場の繁茂状況について詳しく調べた。海草の栄養分析、および海水の汚染に関するサンプルも収集し、来年度分析の予定である。 沖縄における調査は、引き続き環境省の調査地、沖縄本島沿岸域の調査を行なった他、新城下地島の御嶽に奉納されたジュゴン頭骨全てについて詳細な調査を実施した。これにより、最小個体数150例のジュゴン骨が奉納されていることがわかった。また、伝えられているように、戦後印材として頭骨が破壊されて歯が持ち去られた他に、ジュゴン猟が行われていた琉球王朝期にも、印材としての持ち出しが行われていたことがわかった。それを防ぐために、石積みの内部にも頭骨が埋められていた。引き続き地元の教育委員会と協力して、これらのジュゴン骨および遺跡を文化財として保存すること、さらに調査を進めること、理解を得るために講演会等を行うこととした。 環境省による石西礁湖再生協議会に、本科研グループも委員として加わった。かつて、八重山海域に200頭以上分布していたと推定されるジュゴン個体群とその生息環境を含め、同地域・海域の生物多様性再生のための調査計画・再生計画を作り、沖縄ジュゴン個体群の復元を目指すこととした。
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