研究課題/領域番号 |
15201049
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
資源保全学
|
研究機関 | 酪農学園大学 (2004-2006) 北海道大学 (2003) |
研究代表者 |
大泰司 紀之 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (50001532)
|
研究分担者 |
向井 宏 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (00013590)
小倉 剛 琉球大学, 農学部, 助教授 (10284960)
平山 琢二 琉球大学, 農学部, 助手 (00274887)
花井 正光 琉球大学, 法文学部, 教授 (30423734)
金子 正美 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (00347767)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2006
|
キーワード | ジュゴン / 海草 / 個体群動態 / 琉球列島 / 八重山諸島 / 沖縄島 / フィリピン / 海南島 |
研究概要 |
沖縄県竹富町新城下地島で御嶽(うたき)の調査を行うことができ、奉納されたジュゴン頭骨の解析を行った。それらの結果、かつては八重山諸島が琉球列島のジュゴン分布の中心であり、明治中期までは200〜300頭生息していたと推定された。また琉球王朝は、新城島島民にのみ年間数頭〜十数頭の捕獲を許し、ほかの島の島民は捕ると厳罰に処す、という「個体群保全」「管理捕獲」を行なっていたと位置づけられた。 沖縄本島東部のジュゴン生息域一帯の沿岸域の海草藻場は年々減少する一方であること、台湾と海南島でも絶滅または絶滅に向かっていることが判明した。 フィリピン調査では、ダバオ湾にジュゴンの観察適地を発見して地元大学と共同調査地を設定し、ジュゴンの行動・採食量などについて新たな知見を得た。1日に数回、数頭の群れが観察塔のすぐ近くで観察できることから、エコツアーによる地域興しについても地元関係者と打合せを進めている。 平成14年度から17年度までの5年間、環境省・水産庁によるジュゴンの調査が進められ、我々科学研究費補助金(2002-2006)によるジュゴン研究グループは両者と連繋して研究を進めてきた。環境省では個体数調査や海草調査など、水産庁では「ジュゴンの声」を捉え、位置を特定する方法を開発した。平成18年11月に名護市で行なわれた野生生物保護学会において、ジュゴン・セッションを企画し、両省による成果も含めて紹介し、沖縄におけるジュゴン個体群の保全方法について論議を深めた。 平成18年度に設けられた環境省「石西礁湖自然再生協議会」に科研ジュゴングループとして委員に加わり、専門的な立場から協議に参加した。ジュゴンも生態系再生の一環とすべく、平成18年11月に石垣市において、竹富町・石垣市両教育委員会の主催に協力する形で、ジュゴン研究の成果の報告会を行なった。 これらの成果を単行書にまとめるべく、準備を進めている。
|