研究課題
本年度も引き続き、アメリカの対外政策と国内政治体制との連関およびアメリカ国外の反米主義の実情とその淵源を探るための共同研究を展開した。年度当初は、昨年度末に開催した「アメリカ帝国」をめぐる国際シンポジウムの成果の取りまとめをはかるとともに、昨年度まで進めてきた各国、各地域の反米主義の具体的事例を「アメリカ帝国」という問題枠組みの中におき、国際比較を試みた。その結果、明らかになったことは、反米主義の態様や強度は、以下のような複雑な諸要因によって地域ごと、国家ごとに大きな差異があるということである。すなわち当該の地域や国家の対米外交関係はもとより、その近代化の進捗の程度、その国民経済の国際経済への依存の程度、国民社会内の階級構造やエスニック集団関係、宗教的・文化的ヘゲモニーの所在といった諸要因である。今年度は、そうした諸事例をあえて統合せずに、個別の知見を各自がそれぞれの研究課題にそくして、種々の研究会、公刊論文、著書のかたちで公開した。2005年9月には、数名の研究分担者がオランダ、ポーランド、チェコ、オーストリアを訪れ、各地のアメリカ研究所、国際問題研究所の研究者と研究会、インタヴューを行った。その際、意見交換の中心的な論点は、近年の米欧関係において、合衆国政府が強調する「新しいヨーロッパ」と「古いヨーロッパ」の国際認識の差異が、どこまでヨーロッパの側で意識されているのか、どれほどが合衆国の政策的意図による指摘なのかという点に設定した。この訪欧の成果をふまえ、3月11日には、東京で国際シンポジウム"New American Studies in Europe Today"を開催する。その目的は、「9・11事件」以後の米欧関係の変容、および事件以後の国際政治がヨーロッパ諸国のアメリカ研究におよぼした影響について、米、欧および日本、アジアの研究者が学際的かつ国際的に検討を加えることにある。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (30件) 図書 (4件)
グローバル・ガバナンス-「新たな脅威」と国連・アメリカ(総合研究開発機構・横田洋三・久保文明・大芝亮【編】)(日本経済評論社)
ページ: 18-31
ページ: 32-69
帝国論(山下範久【編】)(講談社)
ページ: 15-42
Americanism(KAZIN, M., MCCARTIN, J.A.(eds.))(The Univ.of North Carolina Pr.)
ページ: 192-204
法学論集 55巻4・5号
ページ: 45-78
Kansai University Review of Law and Politics No.27
ページ: 22-41
グローバル・ガバナンス「新たな脅威」と国連・アメリカ(総合研究開発機構・横田洋三・久保文明・大芝亮【編】)(日本経済評論社)
ページ: 304-317
歴史のなかの「アメリカ」-国民化をめぐる語りと創造(樋口映美・中條献【編】)(彩流社) (発表予定)
アメリカ太平洋研究 6号
ページ: 115-126
行政の未来(寄本勝美・辻 隆夫・縣公一郎【編】)(成文堂)
ページ: 117-139
思想 972号
ページ: 1-4
太平洋世界の国際関係-変貌するアメリカ太平洋世界2(五十嵐武士【編】)(彩流社)
ページ: 89-134
米国民主党-2008年政権奪回への課題(久保文明【編】)(日本国際問題研究所)
ページ: 3-36
アメリカの政治(久保文明【編】)(弘文堂)
ページ: 43-66
ロシア・東欧学会年報 33号
ページ: 47-58
中央公論 120巻7号
ページ: 60-71
Japan Echo Vol.32 No.5
ページ: 16-22
インドネシア・ニュースレター 52号
ページ: 52-55
インドネシア・ニュースレター 53号
ページ: 62-66
アメリカニズムと「人種」(川島正樹【編】)(名古屋大学出版会)
ページ: 1-34
現代アメリカの外交(松田武【編】)(ミネルヴァ書房)
ページ: 201-213
レヴァイアサン 36号
ページ: 10-34
アメリカ史研究 28号
ページ: 58-75
環太平洋世界の文化-多文化主義・土着・ジェンダー(瀧田佳子【編】)(彩流社)
ページ: 57-76
英文学研究 82巻
ページ: 316-316
Regional Integration in the East and West : Challenges and Responses, SFPA-SRC(Duleba, Alexander, HAYAHI, Tadayuki, eds.)
ページ: 75-84
Gaiko Forum Vol.18 No.7
ページ: 37-46
アステイオン 63号
ページ: 34-59
Cuadernos de japon Vol.18 no.3
ページ: 20-27
インドネシア・ニュースレター 54号
ページ: 51-53