研究課題/領域番号 |
15202021
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
村嶋 英治 早稲田大学, 大学院・アジア太平洋研究科, 教授 (70239515)
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研究分担者 |
原 不二夫 南山大学, 外国語学部, 教授 (50319290)
菊池 陽子 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (60334447)
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キーワード | 東南アジア現代史 / 東南アジア大陸部国際関係 / 共産主義 / 中国と東南アジア |
研究概要 |
17年度は、3ヵ年にわたる本研究の最終年度である。本年度の主要な調査は以下の通りである。 1.主にバンコクにおいて、元タイ共産党のトップリーダー、中堅幹部、および共産主義活動の鎮圧を担当した警察幹部へのインタビュー。トップリーダーは1930年代末からの活動家で3名。中堅幹部は戦後、運動に加わったタマサート大学生ら4名に複数回会って聞き取り調査を実施した。 2.モスクワのコミンテルンアーカイブ資料の入手と翻訳。暹羅共産党に関するコミンテルン資料は、露、独、仏、英、中の様々な言語を用いている。オリジナル資料を複写で入手後、日本語もしくは英語に翻訳した。 3.タイ国立公文書館、タイコクリツ図書館での資料収集。国立公文書館の共産党関係の資料は、共産党と題したファイルに限らず、様々なファイルの中に含まれている。十分に時間を投じて調査した結果、従来知られていない資料を相当数発見することができた。国立公文書館の資料は、主として共産党を取り締まった官憲側の資料であり、暹羅共産党自身の手による資料は少ない。現存する後者の文書は殆どない。同時代の新聞の報道や写真から、内容がある程度判明するので、国立図書館に保管されている1920-30年代のタイ字、英字、中国語の各新聞を丹念に調査した。その結果、研究者には従来知られていないものを相当数見つけ出した。 以上の新資料を基礎に、「タイ共産主義運動の多面的根本的解明」の実現に向けて報告書を作成中である。
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