研究課題
基盤研究(A)
1.全体成果--この研究は、最近沈滞化しっつある宮座研究を活性化するための新たな基礎を構築することに目的があったが、総論的にいえば、宮座概念の再検討、近畿地方以外の宮座の集中的調査および「宮座文献データベース」の構築などの成果を挙げることができた、この共同研究を開始以来、宮座研究は再び活発になりつつあり、数冊の学術書も刊行されるようになり、宮座研究の再活性化の目標は実現しつつあるといえる。2.中国地方・九州地方の宮座--現地調査として、大分県国東半島の大田村白髪田原神社の宮座およびその祭礼の調査、岡山県建部町の志呂神社の宮座祭礼の調査を共同で実施するとともに、広島県久井町の久井稲生神社の文書調査、撮影、祭礼調査を実施した。これらは何れも「名」、もしくは神官組をベースとする当屋制を特徴としており、直接的に家をベースとしている近畿地方の当屋制とはことなる当屋制を基礎とする宮座である。また、これらの中世的と考えられる宮座組織が、現在、激しく変貌しつつある実態が明らかになった。中国・九州の宮座の特徴を以下のように、ほぼ確定することができた。名ないし名に類似する社会組織を基盤としていること、名の中で特定の「名」が優越した地位を持つこと、「名」によって神前の着座位置が固定している例が多いこと、神官・社家は別に座を構成する例が多いこと、当屋制を規定する原則として年齢的要素が見られないこと。3.『宮座文献目録2003年版』と「宮座研究データベース」の構築--「宮座研究データベース」を完成させ、国立歴史民俗博物館の公開データベースのひとつとして公開する準備を整えた。
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すべて 雑誌論文 (15件) 図書 (3件)
科研報告『現代の宮座の総合的調査研究および宮座情報データベースの構築』
ページ: 11-16
久井稲生神社文書について
ページ: 285-289
志賀谷の筆の頭の絵画資料
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久井稲生神社の宮座組織
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儀礼文化 37
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National Museum of Japanese History (in print)
国立歴史民俗博物館研究報告 123
ページ: 21-45
名主座における村落内身分の研究 121
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真澄学 2
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国立歴史民俗博物館研究報告 112
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愛知県史民俗調査報告 6
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国立歴史民俗博物館研究報告 108
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山形県立米沢女子短期大学紀要 38
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