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2004 年度 実績報告書

ガバナンスの形式と内容に関する実証的理論的研究-世論調査でみる有権者の声

研究課題

研究課題/領域番号 15203005
研究機関東京大学

研究代表者

猪口 孝  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (30053698)

研究分担者 蒲島 郁夫  東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80134196)
前田 幸男  東京都立大学, 法学部, 教授 (30347257)
キーワードガバナンス / 正当性 / 実効性 / 公開性 / 説明責任制 / アジアヨーロッパ世論調査 / アジア・バロメーター / ギャラップ世論調査
研究概要

ガバナンスの理論的実証的研究は国家統治の正当性と実効性という伝統的な要件のほかに、公開性と説明責任制を前面に押し出す。本研究では両方を考察の対象とした。正当性については政治制度に対する信頼に焦点を当てて分析した。政治制度が市民の信頼を得れば正当性ありとする考え方と逆に政治制度にむしろ一定の距離をおき、批判的な目を向けるのが通常なりとする考え方がある。前者の考えでは政治制度信頼が高ければ民主主義が根付いているとする。後者の考えでは政治制度信頼が低いからといって民主主義が根付いていないと言うのではなく、むしろ政治制度に批判的なことが民主主義の成熟を意味する。「アジア・ヨーロッパ世論調査(2000年)」と「アジア・バロメーター(2003年)」のデータ分析は後者の議論をより強く支持する。批判的なことと冷笑的なことをしっかりと区別できる限り、公開性と説明責任制への要求が強まれば強まるほど、後者の議論は強くなる。
グローバル・ガバナンスの研究では世界政府が存在しないときに、どこまで実効的なガバナンスの構築に日本が寄与できるかという間題に焦点を当てた。とりわけ同じような境遇を持ったドイツとの比較研究を通じて、安全保障、世界経済、国際組織、平和構築、地球環境などの問題に対処できるかを分析した。市民大国から次第に普通大国へと転換しつつある日独のグローバル・ガバナンスへの寄与は増大することが確実である。(イラク戦争をきっかけにした米欧亀裂が一定の損傷を少なくとも短期間はもたらすようである。)
9・11以後の世界政治における米国の一極主義と反米主義の高まりを考慮に入れなくては、グローバル・ガバナンスをしっかりと分析できない。米国のアフガン戦争に対する世界の支持はどのような要因によるものかを「ギャラップ世論調査」を基に分析した。同盟、貿易、宗教、民主主義などでの米国との距離が一定の影響を及ぼしていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (10件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] Public Opinion Support for the American War in Afghanistan2005

    • 著者名/発表者名
      Takashi Inoguchi
    • 雑誌名

      Journal of Conflict Resolution Nov/Dec(発表予定)

  • [雑誌論文] 社会科学の研究インフラ構築 -紙と鉛筆と枝豆論-2005

    • 著者名/発表者名
      猪口 孝
    • 雑誌名

      学術の動向 Vol.9 No.1

      ページ: 64-66

  • [雑誌論文] An Emerging Security Triangle? A Japanese View (Part1)2004

    • 著者名/発表者名
      Takashi Inoguchi
    • 雑誌名

      Japan SPOTLIGHT Vol.23 No.6

      ページ: 36-37

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] America and Japan : when the political gets personal2004

    • 著者名/発表者名
      Takashi Inoguchi
    • 雑誌名

      openDemocracy 17-6-2004

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Rethinking the International Order in East Asia : Neither War Nor Peace2004

    • 著者名/発表者名
      Takashi Inoguchi
    • 雑誌名

      Economy, Culture & History JAPAN SPOTLIGHT Bimonthly Vol.24 No.4

      ページ: 32-34

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 帝国以後の日本の選択2004

    • 著者名/発表者名
      猪口 孝
    • 雑誌名

      環 Vol.18

      ページ: 208-211

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Dose Democracy Reduce Enhance Democracy?2004

    • 著者名/発表者名
      Takashi Inoguchi, Hideaki Uenohara, Hiroko Ide
    • 雑誌名

      Conference on Beliefs, Norms and Values in Cross-National Surveys n Dec 7-8(Conference Paper)

  • [雑誌論文] The AsiaBarometer : Its Aim, Its Scope, Its Prospect2004

    • 著者名/発表者名
      Takashi Inoguchi
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Political Science Vol.5 No.1

      ページ: 179-196

  • [雑誌論文] Tinkering Every 15 Years : A New Major Turn in Japan's Foreign Policy?2004

    • 著者名/発表者名
      Takashi Inoguchi
    • 雑誌名

      Japan SPOTLIGHT Vol.23 No.2

      ページ: 38-39

  • [雑誌論文] 科学技術政策は如何にあるべきか2004

    • 著者名/発表者名
      猪口 孝
    • 雑誌名

      日本学術会議 SCJフォーラム 学術の動向 第9巻第6月号

      ページ: 22-26

  • [図書] Values and Life Styles in Urban Asia : A Cross-Cultural Analysis and Sourcebook Based on the AsiaBarometer Survey of 20032005

    • 著者名/発表者名
      Edited by Takashi Inoguchi, Miguel Basanez, Akihiko Tanaka, Timur Dadabae
    • 総ページ数
      503
    • 出版者
      Siglo XXI for Institute of Oriental Culture, University of Tokyo
  • [図書] 「国民」意識とグローバリズム-政治文化の国際分析2004

    • 著者名/発表者名
      猪口 孝
    • 総ページ数
      198
    • 出版者
      NTT出版
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] アジア学術共同体 構想と構築2004

    • 著者名/発表者名
      猪口 孝
    • 総ページ数
      190
    • 出版者
      NTT出版
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] Global Governance : Germany and Japan in the International System2004

    • 著者名/発表者名
      Takashi Inoguchi, Saori N. Katada, Hanns W. Maull
    • 総ページ数
      259
    • 出版者
      Ashgate
  • [図書] 国際関係論リーディングス2004

    • 著者名/発表者名
      猪口孝編
    • 総ページ数
      467
    • 出版者
      東洋書林

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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