研究課題/領域番号 |
15203009
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大村 泉 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50137395)
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研究分担者 |
守 健二 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20220006)
窪 俊一 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (50161659)
宮川 彰 首都大学東京, 経済学部, 教授 (20128581)
八柳 良次郎 静岡大学, 情報学部, 教授 (20166531)
大野 節夫 同志社大学, 経済学部, 教授 (00066292)
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キーワード | 『資本論』第2部 / 新MEGA / IT編纂学 / マルクス / エンゲルス問題 / 国際マルクス / エンゲルス財団 / 『資本論』 / マルクス草稿 / エンゲルス編集原稿 |
研究概要 |
本年度(平成17年度)は、次の3課題に集中して取り組んだ。 1.本研究では平成15年のプロジェクト発足以来、最大の課題の一つとして新MEGA第II部門第12巻(Karl Marx Friedrich Engels Gesamtausgabe(MEGA), zweite Abteilung"Das Kapital"und Vorarbeiten, Band 12)の編集刊行を追求し、本年度央にようやくこれを実現した(出版社:Akademie Verlag, Berlin)。テキスト部484ページ、アパラート(学術附属資料部)846ページ、総計1330ページの大冊である。1920年代に開始された旧MEGAを含めると、MEGAの歴史は80年を超える。日本人研究者がこの編集刊行に直接参画し、原草稿の解読作業からテキスト確定、学術附属資料部の完成まで中心になって作業を進めたのはこの巻が最初の試みであった。本研究ではこの刊行を記念する国際専門家会議およびシンポジウムを開催した。専門家会議は「日・独・露の研究協力によるマルクス『資本論』の歴史的=批判的編集」と題して11月21-24日にびわ湖畔の同志社大学の研修施設で、シンポジウムは「マルクス『資本論』の歴史的=批判的編集とその現代的意義」と題して中央大学後楽園キャンパスで開催した。前者の専門家会議には、国際マルクス/エンゲルス財団事務局長マンフレート・ノイハウス教授をはじめ、独(6)、蘭(1)、伊(1)、露(2)、中(2)、韓(1)、日(14)、総計27人の研究者が参加し、東京シンポジウムにはこれらの研究者のほか約100名を超える日本人研究者が参加した。2つの国際会議は「日本におけるドイツ2005-2006年」の公式プログラムに組み込まれ、シンポジウムでは、ヘンリク・シュミーゲロードイツ大使から祝辞があった。 2.また本研究では、平成15年度に着手した新MEGA第II部第13巻編集-すなわちエンゲルスが「編集原稿」をさらに加工し『資本論』第2部初版(1885年)再版(1893年)を編集刊行する過程を解明し,成果を新MEGA第II部第13巻編集テキストに取り纏める-を拡充深化し、同巻の本文テキストに予定されている『資本論』第2部初版の編集者テキストを完成させ、同時に初版と再版の異動明細の第一次的な仕上げを行った。 3.さらに、本研究では、平成15年に開始したデータベースの拡充補完に取り組み、『資本論』第2部初版、同再版のオリジナルから画像テキストを作成し、このデジタルテキスト化を試みた。
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