研究課題
本プロジェクトの二年目にあたる平成16年度は、当初の計画通り、参加研究者がそれぞれ担当する研究を深めるとともに、議論を相互にすりあわせ、全体としての整合性、一貫性を高めていく作業に取り組んだ。そのための意見交換、議論の機会として、イノベーション研究センターでの定期的な研究発表会と、国内、海外での研究ワークショップをそれぞれ一度開催した。参加研究者(16名)が取り組んだ主な研究内容は、以下の通りである。(1)マクロ分析/産業横断的分析:海外日本研究の外観、神話と現実としての日本研究、産学連携の日英米比較、日本企業のイノベーション活動アンケート調査・分析、日本企業の付加価値生産性・収益性の長期トレンド、日本の製造業の生産性長期トレンド、米国特許データ分析からみた日本企業の研究開発動向。(2)個別産業分析:デジタルカメラ産業、半導体産業、半導体露光装置産業、家電産業、携帯電話産業、ゲーム産業、自動車産業。これらの個別研究の成果の一部は既に論文として発表されている(研究発表参照のこと)。また、平成16年度末時点での研究成果およびワークショップの議論を踏まえ、中間的な整理を行い、一橋大学主催の国際カンファレンスでの発表を行った。とくに、外的環境として、技術・市場の複雑性が急速に進展していること、他方で日本の主要企業の内部組織が過度に複雑化していることが、90年代以降の日本の技術集約的産業の伸び悩みの背景にあることを指摘し、内外の参加者からのコメントをえる機会を設けた。本プロジェクト最終年度である平成17年度は個々の研究成果をとりまとめ、全体の結論を導き出し、全体の研究成果としての著作を仕上げる作業に取り組む計画である。
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