研究課題
本プロジェクトの最終年度(三年目)にあたる平成17年度は、当初の計画通り、これまで重ねてきた個々の研究の成果や国際会議でのディスカッションの結果を踏まえて、成果のとりまとめと共同の著作物の出版にむけての作業に取り組んだ。本プロジェクトを通じて導かれた知見を簡潔に表現すれば、「日本の二大産業の内、自動車産業は、その安定したビジネスのシステムの下で優れた競争力を維持しているのに対して、エレクトロニクス産業が競争力を弱めており、技術・市場の加速度的な複雑性の増大やデバイスへの付加価値の集中傾向に対して的確な経営手法・体制がとれていないこと、一方で多角化・国際化などによる自身の組織の複雑性の増大に翻弄されていることがその要因となっている」となる。これらの知見を著作物としてまとめ、一般読者向けに公表すべく、参加メンバー(一橋大学イノベーション研究センター、マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院)による執筆作業を進めており、平成18年度中に出版(出版社も確定済み)の運びとなる見通しである。その章立ては以下の通りである。序1.本書の狙い、背景、全体の構成パートI.外からみた日本の競争力論の俯瞰図:全体像と分析のあり方2.日本の競争力論の全体像(経済、経営、政治、教育ほか)3.日本のビジネスシステムをめぐる評価の変遷と背景パートII.エレクトロニクスと自動車産業にみる日本の競争力問題4.マクロからみた二大産業のこれまで5.半導体産業6.携帯電話7.デジカメ8.家庭用ゲーム9.自動車パートIII.日本の課題自動車産業の成功とエレクトロニクス産業の苦闘:日本の挑戦
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すべて 雑誌論文 (8件)
経済志林 73巻4号
ページ: 381-406
リーディングス 日本の企業システム第3巻 戦略とイノベーション(伊丹敬之, 藤本隆宏, 岡崎哲二, 伊藤秀史, 沼上幹(編))(有斐閣)
ページ: 206-240
リーディングス 日本企業システム第3巻 戦略とイノベーション(伊丹敬之, 藤本隆宏, 岡崎哲二, 伊藤秀史, 沼上幹(編))(有斐閣)
ページ: 176-203
Management of Technology and Innovation in Japan. (erstatt, Cornelius, Christoph Stockstrom, Hugo Tschirky, and Akio Nagahira (eds.))(Berlin Springer)
ページ: 29-48
Japanese Telecommunications Market and Policy in Transition.(Taplin, R. (ed))(London Routledge)
ページ: 65-86
Economics and Management Perspectiveson Intellectual Property Rights. (De Meyer, Arnoud, Bruno van Pottelsberghe and Carine Peeters (eds.)) (Palgrave)
光学(日本光学会誌) 34巻8号
ページ: 388-395
Research Policy (Elsevier, Hollands) (近刊)