研究課題/領域番号 |
15203028
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研究機関 | 京都文教大学 |
研究代表者 |
濱野 清志 京都文教大学, 人間学部, 教授 (10218547)
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研究分担者 |
小野 芳彦 北海道大学, 文学部, 教授 (20126022)
江口 一久 国立民族学博物館, 名誉教授 (90045261)
杉岡 信行 (財)東方研究会, 研究員 (80250033)
杉岡 津岐子 梅花女子大学, 現代人間学部, 教授 (20259401)
新免 光比呂 国立民族学博物館, 助教授 (60260056)
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キーワード | 樹木画 / 風景構成法 / 風土 / イメージ / SD法 / スリランカ / カメルーン / インドネシア・バリ州 |
研究概要 |
本年度は、調査地として8月にルーマニア、11月にスリランカ、年明けの2月にカメルーンで調査を行った。8月のルーマニアでは、予備調査としてルーマニアの植生と地域性について調べ、来年度の調査学校の選定、及び依頼を行った。現在のところルーマニア、クルージュ地区にあるルーマニア人学校と同地区のハンガリア人学校で来年度6月に調査する予定となっている。11月には、スリランカですでに前年に選定し依頼していたアッタナガラの僧院にある日曜学校と近隣の高校で本調査を行った。本調査は、樹木画、風景構成法、樹木や水、火等の自然を表す言語のイメージ調査としてSD法質問紙を集団的に実施する。5歳から54歳までの379名に実施することができた。 スリランカのバウム、風景構成法は、インドネシア、バリ島でのバウム、風景構成法と類似しており、ヤシの木を中心に描かれ、風景もその色使い等において共通したものを感じさせた。それぞれの文化が、一方は上座部・テーラワーダ仏教、一方がバリ・ヒンドゥー教の独自の宗教で色づけられているにもかかわらず、その描き方、色使いに共通する点を多く感じさせたのは、それぞれの国の宗教文化よりもさらに「深層」にある日常の生活や身体に根ざしたものであり、離れていても同じ東南アジアの気候風土を共有するものが描画に現れる人格の一側面に反映しているのではないか、とも推察される。今後の検討が求められる点であろう。 また、SD法質問紙による言語のイメージ空間を調べると、調査地によらず共通して「火」は特異な位置を占めており、「人」と「木」は同じグループに属していることが分かった。 2月から3月にかけてカメルーンでは、2年前の砂漠に近い北部地域と異なってより熱帯にある南のヤウンデで調査が行われた。この資料についての検討はこれから来年度にかけて行われる。
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