研究課題/領域番号 |
15203028
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 京都文教大学 |
研究代表者 |
濱野 清志 京都文教大学, 人間学部, 教授 (10218547)
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研究分担者 |
杉岡 津岐子 梅花女子大学, 現代人間学部, 教授 (20259401)
江口 一久 国立民族学博物館, 名誉教授 (90045261)
小野 芳彦 北海道大学, 文学部, 教授 (20126022)
仁木 一栄 順正短期大学, 保健科, 講師 (50269990)
杉岡 信行 (財)東方研究会, 研究員 (80250033)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | 樹木画 / バウムテスト / 多文化比較 / 風土 / 自然植生 / SD法 / イメージ / カメルーン |
研究概要 |
平成15年度から18年度の4年間にわたる研究では、さまざまな地域の自然植生に触れ、観察し、それぞれの地域でそこに暮らす人々に樹木画を描いてもらい、それを収集してきた。その地域は、西アフリカ・カメルーンの北部マロア、インドネシア・バリ州、中国・麗江、バングラデッシュ、スリランカ、ルーマニアのクルージュ・ナポカ、ハンガリーのブタペスト、カメルーンの中南部の首都ヤウンデ、北アイルランドのベルファストである。最後のベルファストは、自然植生の観察のみで、調査の準備がたたず樹木画は収集できていない。 収集した樹木画は、小野芳彦らの開発したバウム・ピューアー・ソフトによって画像をコンピュータに整理し、一方で、実際の樹木画から、幹先端処理、樹冠と幹の比率、表面の処理、樹木の位置、大きさ、大地の有無、根の表現等を数値化してそれぞれの地域の特徴を比較検討した。 樹木画を描くにあたって、教示に用いる言語はそれぞれの地域によって当然異なっている。したがって、樹木という言葉がそれぞれの文化の中でどういった意味をになっているのか検討する必要があった。そこで、木、地、水、火、風、空(天)、草、人、森の9つの言葉を用いたSD法によって樹木の意味空間的な配置を検討した。 樹木画は、それぞれの地域風土によって、そこに暮らす人々の精神性を反映するものであることが推察された。たとえば、ヤシの木とともに生活し、ヤシ型の樹木を多く描く地域では、ヤシ特有のシュートを描くことが多く、さらにそのシュートの表現は、その他の種類の樹木を描くときにも影響を受けており、その地域の生命観がそこに現れていると考えられた。また、樹木画の表現形式に対する教育の影響は非常に大きなものであるということもカメルーンの樹木画を中心に検討された。イメージ生成における描線を一本引くことの意味を深く考えさせられるものが多くあった。
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