研究課題
基盤研究(A)
国家財政の逼迫によって、各国の高等教育財政のあり方が変化している。日本でも大学への資金を、大学間で比較的平等主義的な配分から、競争原理によって配分し、資金の効率的運用を目指す方法が導入された。また2004年度には国立大学を法人化し、資金配分を大学の自由裁量に任せる改革が進行中である。本研究では、国立大学の法人化前後における大学内資金配分方法の変動を明らかにすることを目的としている。研究初年度である2003年度は、以下の点についての研究を行った。1.全国の国立大学から単科大学および総合大学13大学を選び、訪問調査を行った。それらの大学の財務担当副学長、事務局長、経理部長などにインタビューを行い、法人化前の学内資金配分についての実態の把握を行った。また調査対象大学に工学部がある場合には、工学部長、工学部事務長、工学部会計課職員にもインタビューを行った。これらのインタビューによって、各大学とも競争的資金配分にさまざまな工夫を凝らしていることが明らかとなった。2.このインタビュー調査から得られた学内資金配分の情報に基づいて、予算獲得、予算配分に関する調査票を作成し、全国の国立大学87校の学長および事務局長に対してアンケートを実施した。回収率はそれぞれ90%、80%を超えており、現在集計分析中である。3.2004年1月にパリで開催された高等教育財政と評価に関する国際会議(OECD/IMHE)に研究協力者が出席し、各国の高等教育改革の動向についての情報を収集した。
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