研究課題
国立大学の法人化を境として、各国立大学は従来のラインアイテム・バジェッティング方式から、ブロックグラント方式による交付金の配分を受けることになった。このことは大学の裁量の余地が大幅に拡大することを意味すると同時に、学内での資金配分を各大学の特性に合わせた形で、再設計しなければならないことをも意味している。本研究では、これらの国立大学の法人化前後における学内資金配分方法の変動を明らかにすることを目的としている。研究初年度である2003年度は、以下の点についての研究を行った。1.全国の国立大学13大学を選び、訪問調査を行い、法人化前の学内資金配分についての実態の把握を行った。これらのインタビューによって、法人化以前にすでに各国立大学における学内資金配分の多様性が存在していることが明らかになった。2.このインタビュー調査をもとにして、予算獲得、予算配分等に関する調査票を作成し、全国の国立大学87校の学長および事務局長に対してアンケートを実施し、これらの調査結果のデータベース化を行った。本年度については、以下の調査を行った。1.上記で整理したデータベースに基づき、(1)概算要求、(2)外部資金の獲得、(3)予算配分、(4)資源の効率的利用の四点につき、研究分担者がそれぞれ分担して分析を進めた。この一時集計については、中間報告書(『国立大学における資金の獲得・配分・利用状況に関する全国調査』)を刊行した。ここからは上記のインタビューで明らかにされた多様性が、一部の国立大学のものではなく、国立大学全体にいえることであることが確認された。2.上記加えて、法人化後いち早く学内資金配分の改革に取りかかっている国立大学に2校で訪問調査を実施した。これらの大学では学内資金配分に関する裁量を生かし、従来の学内資金配分と比較してドラスティックな変化(メリット・デメリットを含めて)が生じていることが確認された。
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大学財務経営研究 第1号
ページ: 85-97
ページ: 123-134
ページ: 101-119
ページ: 137-151
ページ: 155-167