研究分担者 |
森 重文 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00093328)
寺杣 友秀 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50192654)
斎藤 毅 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70201506)
塩田 徹治 立教大学, 理学部, 教授 (00011627)
中村 郁 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50022687)
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研究概要 |
代数多様体とそのモジュライ空間の包括的な研究を行なうため次のような研究集会を開催した. (1)第48回代数学シンポジウム,2003年8月4日-8月7日,於名古屋大学工学部. (2)符号と暗号の代数的数理,2003年11月4日-11月7日,於京都大学数理解析研究所. (3)数論幾何学シンポジウム,2003年11月18日-11月21日,於北海道大学理学部. (4)Arithmetic and Algebraic Geometry,2004年1月21日-1月23日,於東京大学大学院数理科学研究科. 研究代表者は,正標数においてCalabi-Yau多様体のArtin-Mazur形式群に注目し,それを用いてCalabi-Yau多様体の構造を調べた.とくに,体の標数をpとし,Fermat型のr次元Calabi-Yau多様体をX^r(p)とするとき,r【greater than or equal】2ならば,H^r(O_x)に付随したArtin-Mazur形式群Φ^rのheightは1か∞のいずれかであるという結果を得た.また,h=1であるための必要十分条件はp≡1modr+2であることが示せた.M.ArtinはK3曲面Xに対しては,Xが塩田の意味の超特異であることと,Artinの意味の超特異であることが同値であろうと予想した.Fermat K3曲面X^2(p)の場合にArtin予想が成り立つことは容易に示せるが,我々の結果を用いれば,高次元においては偶数次元でも,Calabi-Yau多様体に対してArtin予想は一般化できないことがわかる.次に,標数0において,rigidになるような一般化されたKummer Calabi-Yau多様体Xを取り上げた.このようなXの中間Jacobi多様体は楕円曲線Eになるが,XとEがgood reductionになるような正標数への還元を考え,X mod pのArtin-Mazur形式群のheightとE mod pの超特異性の関係を調べ,特別な場合にその関係を明らかにした.また,その現象を具体的に示す典型的な例を与えた.
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