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2005 年度 実績報告書

非線形発展方程式の幾何学的対称性と解の構造

研究課題

研究課題/領域番号 15204008
研究機関京都大学

研究代表者

堤 誉志雄  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)

研究分担者 井川 満  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80028191)
國府 寛司  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50202057)
太田 雅人  埼玉大学, 理学部, 助教授 (00291394)
水町 徹  九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (60315827)
中西 賢次  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40322200)
キーワード非線形Schrodinger方程式 / 解の漸近挙動 / 漸近自由 / 定在波解 / 安定性と不安定性 / soliton-defect interaction
研究概要

堤は下村明洋氏とともに,空間2次元で2次の非線形項を持つシュレディンガー方程式に対し,解の時間無限大での漸近挙動を調べた.空間2次元における2次の非線形相互作用は,短距離型相互作用と長距離型相互作用の境目に相当するため,非線形項の次数だけでなく,その幾何学的構造を調べることが重要となる.たとえば,ゲージ不変性を持つ2次の非線形項の場合,自明解以外の解は漸近自由とはならないことが知られている一方で,ゲージ不変性を満たさない2次非線形性の内,ある一つのものを除いては,解は漸近自由となることが示されている.今回は,唯一解明されていなかった2次の非線形性,すなわち,解とその複素共役との積からなる非線形項について,自明解以外は漸近自由とならないことを示した.この非線形項の場合,時刻無限大の近傍における解の自由解からのずれは,弱位相でゼロに収束するため,従来知られていたGlasseyやStraussの証明をそのまま適用することは困難であったが,今回自由解からのずれをとらえる証明法を開発することに成功した.
太田氏と福泉氏は,ディラックのデルタ関数をポテンシャルとして持つ空間1次元非線形シュレディンガー方程式に対し,定在波解の存在とその安定性・不安定性を解析した.デルタ関数が付かない場合,非線形項の次数が5以上なら定在波解は不安定,非線形項の次数が5より小さければ安定となることが知られている.しかしデルタ関数が付くと,非線形項の次数が5以下なら定在波解は安定となることを示した.安定性と不安定性の境となる5次の非線形性の場合,デルタ関数が付くことにより,定在波解は安定化することが解明された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Instability of standing waves for nonlinear Schrodinger equations with inhomogeneous nonlinearities2005

    • 著者名/発表者名
      R.Fukuizumi, M.Ohta
    • 雑誌名

      J.Math.Kyoto Univ. 45・1

      ページ: 145-158

  • [雑誌論文] Instability of bound states for 2D nonlinear Schrodinger equations2005

    • 著者名/発表者名
      T.Mizumachi
    • 雑誌名

      Discrete Contin.Dyn.Sys. 13・2

      ページ: 413-428

  • [雑誌論文] Vortex solitons for 2D focusing nonlinear Schrodinger equation2005

    • 著者名/発表者名
      T.Mizumachi
    • 雑誌名

      Differential Integral Equations 18・4

      ページ: 431-450

  • [雑誌論文] Remarks on long range scattering for nonlinear Schrodinger equations with Stark effects2005

    • 著者名/発表者名
      A.Shimomura, S.Tonegawa
    • 雑誌名

      J.Math.Kyoto Univ. 45・1

      ページ: 205-216

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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