遠方の超新星観測においては、2005年9月からハッブル宇宙望遠鏡のACSカメラで楕円銀河を簿銀河とする超新星候補を発見し、すばる望遠鏡等で追加分光観測を行うプログラムを開始した。2006年6月までのプログラムであるが、これまでのところ7個の遠方の超新星の観測に成功している。プログラムに先駆け、7月に4名で米国バークレーへ共同研究者との研究うちあわせに行き、それ以外にも月に約2回のテレビ会議を開催した。 近傍の超新星においてはスローンデジタルスカイサーベイの第二期サーベイ(SDSS-II)の超新星観測プログラムに参加し、すばる望遠鏡およびUH88望遠鏡による追加観測を行った。すばる望遠鏡では34のスペクトルを、またUH88望遠鏡では6epoch分の測光点を得ることができた。2006年1月には2005年秋の成果をふまえた研究うちあわせの会合が開かれ、大学院生の高梨が安田(経費は他)と共に参加した。SDSSに関係したところでは、超新星による宇宙膨張測定とは相補的な、銀河分布を使って宇宙膨張パラメータに制限を与える研究について、Eisenstein博士他によるSDSSのデータを使った論文発表に協力をした。 またハードウエア開発においては2005年8月に15色同時撮像装置を、国立天文台三鷹にあった広島大学の1.5m望遠鏡にとりつけ、短期間かつ試験的にではあるが、星の光をいれての試験観測に成功した。装置たちあげのために光学・エレクトロニクスなどの各種部品や計算機・ハードディスクを購入したり、装置の運搬も精密機器用トラックにより行った。また9月までの半年間、研究員として酒向重行を雇用した。 その他、共同研究者の酒向が、海外の研究会に赴き情報収集を行い、またロチェスター工科大学のM.Richmond助教授を招聘(滞在費のみ)して研究打ち合わせを行った。また関連した研究発表を日本天文学会等で行ったり、適宜研究うちあわせをおこなったりしている。
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