研究概要 |
H17年秋に行ったKEK E566実験のデータ解析を引き続き進め、とくに磁気スペクトロメータ系の詳細な解析を行なった。また、観測された^<11>_ΛBの基底状態二重項間のγ遷移(7/2^+->5/2^+,262keV)と、^<12>_ΛCのコア第一励起状態から基底状態二重項へのγ遷移のうち一方(1^-_2->2^-,2.67MeV)について、理論的考察を進めた。^<11>_ΛBのγ線エネルギーから、同じp殻ハイパー核であっても質量数が大きくなると^7_ΛLiと比べてΛN間のスピンスピン相互作用の強さのパラメータが小さくなっていること(Δ=0.33MeV)が判明した。 以前に行われたハイパー核ガンマ分光実験BNL-E930のデータの再解析により、^<16>_ΛOの7MeVの励起状態二重項間のspin-flip状態からのγ遷移(2^-->1^-,6562keV)が観測された。これは、ハイパー核のspin-flip状態をnon-spi-slip状態と分離して直接生成した初めての例である。このガンマ線エネルギーから7MeVの励起状態二重項(2^-,1_2^-)の間隔が222keVと得られたが、こも大きさも^<11>_ΛBと同じ小さいΛN間のスピンスピン相互作用パラメータで説明できる。 J-PARCでの実験にそなえ、Ge検出器の高速読み出し法の開発を進めた。ゲルマニウム検出器のshaping amp出力をwavefbrm digitizerで記録した波形データを用いて、baselineの補正やpileupの分離を行う波形解析プログラムの開発を行った。東北大核理研の電子ビームの高計数率ものとで^<60>Coガンマ線の波形データを記録し、波形解析プログラムの性能をテストしたところ、エネルギー分解能と検出効率が改善することが確かめられた。
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