研究課題
平成18度までに、共振器の製作を行いパルス・レーザーの増幅実験を遂行した。この結果、6Wの入力に対し、約1000倍弱の増幅を達成し、目標にほぼ到達した。また光共振器をATFダンピングリング内に実際に組み込み、世界ではじめてパルス・レーザーによるガンマ線の生成を観測した。現在の最大カウントは毎秒40万カウントである。同時にレーザーワイヤー測定装置して動作させ、レーザーワイヤー測定器としても信頼性の高い装置であることを確認した。本研究課題の当初の目標に掲げられていないが、パルス・レーザーを使ったレーザーワイヤー測定装置が、電子ビームのバンチ長を測定するモニターとして有用であることを確認した。こうした成果を基礎に、最終年である平成19年度に於いては、高次モードを使ったレーザーワイヤー測定装置を製作し、更に高性能電子ビームモニターを作成した。またそれを利用して、高エネルギー加速器研究機構のATF電子蓄積リングで性能試験を実行した。また同研究機構のRF電子銃テストベンチに於ける電子ビームを利用し、X線生成予備実験を遂行した。これにより、X線源としての性能を実験的に確認中である。また電子ビームの冷却実証実験については、様々な理論的検討を加え、レーザーや光共振器の改良点すべき点などを明らかにした。以上の成果を学会やワークショップで発表した。