研究課題
基盤研究(A)
本研究の目的は、1)パルス蓄積法を併用したファブリペロ型光共振器の技術を確立する、2)「レーザーワイヤー」装置の性能を格段に向上させる事により、KEK-ATFのビームダイナミックスの研究を発展させる。特に高次ガウスモードを利用することにより分解能の向上を図る、3)X線実用強度生成の実証を目指すパイロット実験を行う。該当期間中の研究成果は以下のとおりである。まず1)については、モードロック型パルスレーザーと光共振器を組み合わせ、光増大率630を実現した。フィードバックの工夫により、共鳴条件は安定に満たしている。光共振器内部の平均パワーは2.4KWであり、ピークパワーは約1MWに相当する。またビームウェストについては、178ミクロンを実現した。以上により様々改良の余地は存在するものの、当初の目的を達成したといえよう。2)の高次モードを利用したレーザーワイヤー装置の高性能化については、高次モードの生成方法を確立し、その特性を測定・解明した。その結果、理論予想と測定された諸性質は良く一致することが確かめられた。また完成した高次モードレーザーワイヤー装置を使用し、ATF電子ビーム(高エネルギー加速器研究所)のビームサイズを測定した。3)のX線生成実験については、RF-Gunマルチバンチ電子加速器(50MeV LINAC)を使ってパイロット実験を計画した。製作したパルスレーザー光共振器をビームラインに設置し、コンプトン散乱によるX線生成実験を開始した。現在、生成X線の検出およびX線の諸性質の詳細な研究が進行中である。
すべて 2005 2004
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Nucl. Instrum. and Meth. A, 538
ページ: 100-115
Nucl.Instrum.and Meth. A, 538
Nucl. Instrum. and Meth. A, 532
ページ: 388-393
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