研究課題/領域番号 |
15204022
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
能町 正治 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90208299)
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研究分担者 |
菅谷 頼仁 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80324747)
江尻 宏泰 大阪大学, 名誉教授 (80013374)
伏見 賢一 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (90274191)
嶋 達志 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (10222035)
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キーワード | 二重ベータ崩壊 |
研究概要 |
1.検出器の製作:昨年度より製作していたMOON-1検出器を組み上げ、低バックグラウンド環境である大塔地下実験室に設置した。製作した検出器は6層のプラスチックシンチレーターとそれを見込む56本の光電子増倍管を用いている。測定に使用した142gの^<100>Moは以前にELEGANT-Vで使用したものを再利用した。さらにELEGANT-VのNaI(Tl)アクティブシールドと銅・鉛放射線シールドを使用した。 2.測定:5月に設置した検出器は調整を行い、8月よりエネルギー分解能測定を行った。さらに長時間の測定を行った。低バックグラウンド環境において安定した測定を行うことに成功した。 3.解析:ニュートリノを伴わないダブルベータ崩壊測定のためには高いエネルギー分解能が必要である。実際に組み上げた検出システムとしてどれだけのエネルギー分解能を持っているかを測定した。多層構造のMOON-1検出器では内層のエネルギー分解能を測定することは容易ではない。我々はNaI(Tl)検出器と組み合わせることにより検出器のエネルギー分解能測定を行う新しい方法を開発した。その結果MOON検出器に要求される3MeVにおいて7%(FWHM)を満たす高いエネルギー分解能を有していることが示された。また現時点ではバックグラウンド事象は観測されていない。これらの成果はスペインで開催されたTAUP2005において口頭発表およびポスター発表を行った。 4.予定:最終年度である来年度の本格的な測定に向け、性能向上のための改良を行っており、4月からの測定を予定している。
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