研究課題/領域番号 |
15204023
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
中村 健蔵 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (10011735)
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研究分担者 |
市川 温子 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50353371)
小林 隆 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (70291317)
高崎 稔 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (70044782)
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キーワード | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 長基線ニュートリノ振動 / K2K / J-PARC / 大強度陽子加速器 / 電磁ホーン |
研究概要 |
K2K実験の遂行に関しては、本年度は4月-6月と10月-2月にデータ取得を行い、最終的な目標(10^<20>個の陽子をπ中間子生成標的に照射)の85%に達している。このデータを2004年6月のニュートリノに関する国際会議で発表する予定で鋭意解析を進めている。この間、夏の定期的な加速器運転休止期間を利用して新鋭高性能前置検出器、SciBarの設置を行い、その後のデータ取得ではニュートリノ反応に関する良質・大量のデータが得られている。これらのデータは主目的であるニュートリノ振動実験の系統誤差を減ずるために重要であるが、それだけにとどまらずニュートリノと原子核の反応の解明にも新たな知識をもたらすことが確実である。 建設中のJ-PARCにおいて50-GeV大強度陽子加速器を用いる次期長基線ニュートリノ振動実験のための大強度ニュートリノ・ビーム生成用電磁ホーンシステムは、3台の電磁ホーンよりなるが、今年度はこのうち、放射線や熱による負荷が最も厳しい第一ホーンの研究・開発を行なった。有限要素法により電気的な衝撃および熱衝撃の解析を行ない、衝撃を緩和するための形状やサイズの最適化を行なった。この結果、ニュートリノの生成量を減らすことなく大強度の陽子ビームからビームを生成するための電磁ホーンの概念設計が確立した。得られた設計を基に、大強度ビーム下での衝撃に耐えうることを実証するための試作器を製作している。 また、本科研費により本年度は延べ9人が国際会議に参加し、招待講演を行う等、実験結果の情報発信及び関連研究に関する情報収集を行った。
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