研究課題/領域番号 |
15204023
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2004-2005) 高エネルギー加速器研究機構 (2003) |
研究代表者 |
中村 健蔵 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (10011735)
|
研究分担者 |
高崎 稔 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (70044782)
小林 隆 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (70291317)
市川 温子 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50353371)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
キーワード | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 長基線ニュートリノ振動 / K2K / J-PARC / T2K / 大強度陽子加速器 / 電磁ホーン |
研究概要 |
K2K実験は世界初の加速器を用いた長基線ニュートリノ振動実験である。目的はスーパーカミオカンデが発見した大気ニュートリノの振動を、人工的に発生させ、特性の良く分かったミューニュートリノを用いて検証することである。実験の全期間を通じてスーパーカミオカンデでKEKから発射されたニュートリノは112事象観測された。これに対して、ニュートリノ振動が起きない場合には158.1(+9.2-8.6)事象が検出されると推定される。K2K実験の結果は、まさにニュートリノ振動により検出事象数が有意に減少していることを示した。また、1リングμ-like事象を選び、ニュートリノのエネルギー分布を調べると、結果はニュートリノ振動に特徴的なエネルギー分布の変化を示した。K2K実験で得られた事象数に関する結果とエネルギー分布に関する結果が、共にニュートリノ振動ではなく単なる統計的変動でそのように見える確率は0.0015%であり、4.3σの有意度でニュートリノ振動を支持する。ニュートリノ振動を仮定し、パラメーターをphysicalな領域に限った解析により、(Δm^2,sin^22θ)=(2.8×10^<-3>eV^2,1.0)がベストフィットとして得られた。この結果はスーパーカミオカンデの大気ニュートリノ振動の解析結果と良い一致を示し、これを検証する当初の目的を果たした。 K2Kに続くT2K実験では、電磁ホーンは、ニュートリノビーム強度を決定する最も重要な要素の一つであり、本研究では特にJ-PARCで想定される厳しい放射線環境下で高い性能を維持しつつ、かつ安定に動作する電磁ホーンの開発を目指した。このシステムは、3台の電磁ホーンよりなるが、本研究では特に放射線や熱による負荷が最も厳しい第一ホーンの研究・開発を主とし、有限要素法により電気的な衝撃および熱衝撃の解析を行ない、また、衝撃を緩和するための形状やサイズの最適化を行なった。得られた設計を基に、大強度ビーム下での衝撃に耐え得ることを実証するための試作器を製作し完成させた。初期段階の試験結果によれば、交付申請書に記載された研究目的と研究実施計画に沿った研究成果が得られている。
|