研究分担者 |
市原 卓 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 副主任研究員 (60176302)
岸田 隆 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 先任研究員 (20204852)
青井 考 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 研究員 (00311647)
柳澤 善行 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 研究員 (70360659)
武内 聡 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 協力研究員 (30360580)
|
研究概要 |
理化学研究所加速器研究施設において、高速RIビームを用いた実験を行うとともに、測定装置開発を行った。 1)rp過程陽子捕獲反応のクーロン分解法による決定 前年度行われた不安定核^<23>Al,^<27>Pのクーロン分解反応の実験結果をもとに、爆発的水素燃焼過程の天体核反応率の決定を行った。^<22>Mg(p,γ)^<23>Al反応については、実験的な値を得ることに初めて成功し、この反応が新星での核燃焼に寄与する条件を明らかにした。^<26>Si(p,γ)^<27>P反応については、共鳴からのγ線放出にM1,E2の2成分あることから、反応率の上限と下限を与えた。 2)クーロン分解反応機構の研究 連続状態を経由するクーロン分解反応では、陽子捕獲の主成分である電気双極子(E1)遷移が強く起きるが、他の遷移多重度(M1,E2)および、核力励起の寄与も含まれ、しかも、その割合が陽子捕獲の場合と異なる。特に近年の太陽ニュートリノ問題のように、高精度(典型的には5%)の結果を要求される場合は、これらの小さな寄与の推定が必要である。^8B核のクーロン分解反応におけるM1,E2および核力励起の寄与を求めるため、従来行った鉛標的に加えて、水素およびヘリウム標的による分解反応の実験を行った。3つの標的による結果の比較と角度分布の詳細な分析から、各成分の寄与を引き出すことを目指している。現在データの解析を行っている。 3)クーロン分解法による2陽子捕獲反応の実験 昨年度行った^<20>Mgの鉛標的による2陽子放出分解の実験データの解析を行った。まず、^<20>Mg核そのものの性質を調べる目的で2^+状態からのγ崩壊を分析し、鏡核^<20>Oとの比較を試みた。 5)ビームライン検出器系の開発 RIビームの識別能を高めるため、結晶軸を傾けた検出器を設計し、期待される性能を発揮することを確認した。また、高強度のビームを計数するため、高速の増幅器系を整備した。
|