研究課題/領域番号 |
15204027
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大塚 洋一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (50126009)
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研究分担者 |
神田 晶申 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30281637)
大木 泰造 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (90359571)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 金属微粒子 / 離散エネルギー準位 / トンネル分光 / STM / 量子ドット / ナノ電極 / クラスタ |
研究概要 |
本研究の目的はトンネル分光によって金属微粒子中の電子状態に関する知見を得ることにあり、・低温STMを用いた金属クラスタの研究、・微細加工による金属微粒子の研究、・関連する微細加工技術の開発の3方面から研究をすすめ、それぞれ以下の成果を得た。 1.STMに関しては、基板上に原子レベルで平坦、均質なトンネルバリアを作製し、その上に1nm級の金属クラスターを成長させることを、・金クラスタ/単分子膜/金(111)基板、・金クラスター/ジチオール・チオール混合分子膜/金(111)基板、・金属クラスター/アルミナ超薄膜/NiAl(110)基板の3系で実現しSTM分光を行った。この方法で直径1〜3nmの多数の金クラスターについて系統的な測定を行った。特にオフセット電荷の分布の測定から、オフセット電荷は0を中心に分布するが、サイズの増加とともに分布の幅が広がり、ある値を境に非中性クラスターが出現することが初めて見いだされた。 2.10nm間隔の固定電極対を使った10nm-A1島電極を持つ単電子トランジスタ(SET)を作製し、島電極中の1電子離散準位の観測を行った。準位間隔の分布を調べこれがWigner分布と矛盾しないことを示した。 3.ナノギャップ電極対の作製方法について直接の電子線描画法以外に、斜め蒸着法、機械破断接合(MBJ)法、メッキ法、無機レジスト法などを検討した。斜め蒸着法では10nm金コロイド粒子を島電極とするSET作製法を確立し、その動作を確認した。またMBJ法ではA1単原子接合の伝導について伝導チャンネル別の透過率を決定するとともに、その電流位相関係を決定した。 4.メゾスコピック金属のトンネル分光に関しても、微小超伝導体における新しいvortex状態の確認や強磁性SET構造でのTMR増大機構、SETの圧力効果について新たな知見を得た。
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