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2003 年度 実績報告書

零次元少数電子スピン系の時間応答

研究課題

研究課題/領域番号 15204028
研究種目

基盤研究(A)

研究機関東京大学

研究代表者

樽茶 清悟  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40302799)

研究分担者 大野 圭司  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00302802)
キーワード半導体 / 量子ドット / スピン
研究概要

(少数電子系のダイナミクス)
低ノイズ環境を保ちつつ30GHzまでのCWマイクロ波を量子ドット試料に照射できる高周波測定系を3He冷凍機(0.3K)に組み込み、縦型量子ドット試料では初めて光子介在単電子トンネル効果を観測した。この測定はパウリブロケード状態の2重ドットにおいて行われ、ドットのスピン状態が数十GHzの交流電場のもとで安定であることが確認された。25-50GHz対応の高速応答測定用部品を組み込んだ希釈冷凍機冷凍機(0.1K)(現有設備)とナノ秒パルス発生器(現有備品)、極短パルス電圧発生装置(要求設備品)を用いたパルス測定系を建設した。遅延ライン測定により、パルス波形の評価をおこなった。パルス印加時にノイズレベルの上昇があり、量子ドット試料を用いたスピン緩和測定にはいたっていない。
人工分子のダイナミクスを調べるための基礎実験として、まず静特性の研究を進めた。縦型人工分子の磁場中での状態遷移の詳細を実験的理論的に調べ、結合軌道と反結合軌道の同時占有(分子相)の存在を初めて確認した。また、比較的強いスピン軌道相互作用が期待される自己形成InAs結合ドットを内包する縦型構造素子を作成し、弱結合特有のドット間共鳴トンネル現象を確認した。
(電子スピン-核スピンの動的結合)
パルス交流磁場を印加して電子スピン-核スピン結合の時間的挙動を制御し、単一トンネル電流年よる核スピンのコヒーレント制御に成功した。スピンエコーを測定により、位相緩和時間を決定した.
2重結合ドットのポテンシャルの対称性(2個のドットのポテンシャルのズレ)を制御することを目指し、バックゲートつき縦型2重量子ドット素子を作成した。設計パラメータの最適化が不十分であり、現在のところごくわずかな対象の変調しか観測されていない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Fujisawa, D.G.Austing, Y.Hirayama, S.Tarucha: "Electrical pump and probe measurements of a quantum dot in the coulomb blockade regime"Jpn.J.Appl.Phys.Lett. 42. 4804-4808 (2003)

  • [文献書誌] K.Ono, D.G.Austing, Y.Tokura, S.Tarucha: "Spin selective tunneling and blockade in two-electron double quantum dot"Phys.Stat.Sol.B-Basic Research. 238. 335-340 (2003)

  • [文献書誌] M.Rontani, S.Amaha, K.Muraki, F..Manghi, E.Molinari, S.Tarucha: "Molecular phases in coupled quantum dots"Phys.Rev.B. 69. 85327-85330 (2004)

  • [文献書誌] T.Ota, 他: "Single electron spectroscopy in a single pair of weakly coupled self-assembled InAs quantum dots"Physica E. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] T.Kodera, 他: "High-frequency manipulation of few-electron double quantum dots -toward spin qubits-"Physica E. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] M.Yamamoto, 他: "Negative drag in parallel quantum wires"Proceeding of 26th International Conference on the Physics of Semiconductors. (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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