研究課題/領域番号 |
15204028
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
樽茶 清悟 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40302799)
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研究分担者 |
大岩 顕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (10321902)
山本 倫久 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (00376493)
大野 圭司 独立行政法人理化学研究所, 研究員 (00302802)
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キーワード | 半導体 / 量子ドット / スピン / 核スピン |
研究概要 |
(少数電子系のダイナミクス) 希釈冷凍機中1ナノ秒程度の時間分解能で緩和時間計測ができる電気的ポンプ&プローブ測定系を立ち上げた。これを用いて電子数1-8個の量子ドット(QD)について、スピン反転をともなう緩和と伴わない緩和を識別することができた。 QDのスピン状態を詳細に調べるために、トンネル結合した量子細線を外部電極とするQDを作成した。この量子細線は、弱磁場を加えた状態でゲート電圧を調節すると、"上向きスピンだけ"、あるいは、"上下向きスピンが同等に"通るように調節することができる(スピンフィルター効果)。この差を利用することにより、QDのスピン状態の特徴を明瞭に観則した。スピンフィルター効果はQD中のスピン緩和がトンネル時間に比べて十分長いことに起因する。このことは、以下に述べるスピン緩和時間の直接測定で確かめることができた。 QDと量子ポイントコンンタクト(QPC)を静電的に結合させたデバイスを作成し、QPCを単一電子に応答する電荷計(応答速度0.1ミリ秒)として用いることにより、QDのスピン1重項と3重項をトンネルする電子の違いを、比較的電子数の多い領域で識別することができた。また、電子充填率が2の磁場付近での電子スピン緩和時間をはじめて測定した。 同上の素子のドット部分に微弱光を照射して、1個の光子によって生成される1電子を実時間計測する実験を開始した。セットアップを完了し、光応答牲を確認した段階である。 (電子スピン-核スピンの動的結合) 電子スピン量子ビットと核スピン量子ビット間に働く超微細相互作用のコヒーレントな制御を目指し、スピンブロッケード状態にある2重量子ドットのソース・ドレイン電圧をナノ秒程度でスイッチオン・オフするための測定系構築を行った。現在までのところ0.5ナノ秒程度の時間分解能でDCパスル電圧を印可することに成功している。 2つの非対称なサイドゲートを有する構造を作成し、非対称ゲートバイアスによるドット間オフセットを約0から1.5程度まで変調することに成功した。オフセット0での対称なクーロンダイヤモンド、およびオフセット1での明瞭なスピンプロッケードを観則した。オフセットを0から1.5程度まで変化させることで、スピンブロッケードが出現・消滅する様子を詳細に研究した。
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