研究課題/領域番号 |
15204041
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
近藤 建一 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (50111670)
|
研究分担者 |
中村 一隆 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (20302979)
弘中 陽一郎 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (20293061)
|
キーワード | 超高圧力スケール / 状態方程式 / 衝撃圧縮 / テラパスカル / 二段式軽ガス銃 / 三段式軽ガス銃 |
研究概要 |
本研究は、圧力標準となっている金属および無機化合物のテラパスカル領域までの衝撃圧縮実験によって状態方程式パラメータを実験的に得て、信頼性の高い超高圧力スケールを構築することを目的としている。テラパスカルを得るために、これまで注力した三段式軽ガス銃の改良では、予備加熱された水素ガスの冷却が激しくて顕著な効果が見られず、さらに、発射管内径を変化させ接続方法を変化させるなど、様々な試みを行ったが、顕著な効果が見られず、目標とした10km/sまでの加速を実現することができなかった。 一方、本研究で用いる発射装置が小型であることから、状態方程式の確度に直接影響する測定値を高精度・高確度で取得するための新しい技術を開発した。一つは、飛翔体の衝突時刻を衝突前に検出して、高時間分解ストリークカメラ動作を可能にしたもので、代表者の発明によるプリイベントパルス発生器の時間分解能を向上させたシステムの効果が大きい。このことにより、トリガーピンが不要となり、飛翔体直径と同等の試料直径を確保することができる。他の一つは、衝撃波速度測定にファイバー転送型ラインレーザー反射光法を開発して、十分なコントラストで衝撃波の到着時刻分布を試料表面の線上で検出することができた。飛行板の傾きや歪み、標的試料の変形状態を補正することができるようになった。標準試料の銅を標的試料とした場合、飛翔体速度6.5km/sまでは飛行板の傾きを凸面の二次曲線で近似して0.5%以内の誤差で既往の標準データと一致する測定が可能となったが、6.5km/sから8km/sでは、標的試料が二次曲線による変形補正が適用できない不定形となっており、標準データからの偏差が2-3%に達した。したがって、加速ガスの噴出制御や飛翔体周りのガスの希薄化、標的試料の保護や強固な固定など、一層の改良が必要と思われる。
|