研究課題/領域番号 |
15205001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
太田 信廣 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70113529)
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研究分担者 |
中林 孝和 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (30311195)
内藤 俊雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20227713)
飯森 俊文 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (60360947)
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キーワード | 光反応ダイナミクス / 電場効果 / 磁場効果 / 光機能物性 / 電解発光 |
研究概要 |
カルバゾール(CZ)とテレフタル酸ジメチルの混合系等の光誘起電子移動反応系について、またピレンやその誘導体のエキシマー形成反応系について、反応ダイナミクスへの電場効果を、ピコ秒時間分解電場発光スペクトルの測定により、また定常光電場吸収・電場発光スペクトル測定により調べた。前者の測定は半導体レーザー励起チタンサファイアレーザー、単一光子計数型蛍光寿命計、および矩型波電場印加装置を組み合わせて作製した測定装置を用いて行った。後者の測定は、定常光励起による電場変調吸収・発光測定装置を用いて行った。また、電場吸収・電場発光スペクトル測定結果の解析から電気双極子モーメントや分子分極率の変化量、すなわち吸収や発光に伴う電子構造の変化を求め、電子構造と反応ダイナミクスの関係を調べた。また、光誘起電子移動反応系における蛍光への電場効果が磁場効果を示すことを観測し、その機構を考察した。さらに、光励起後に発する蛍光への電場効果の結果と光導電性や有機電界(EL)発光との関係を調べた。 光励起後の電子移動反応や電荷再結合反応への顕著な電場効果の存在を念頭に、常温から約2Kまでの広い温度領域で測定できる自作の電気的特性光照射効果測定装置を用いて、金属-絶縁体転移を示す有機電荷移動錯体であるBEDT-TTF錯体の電気的特性(電流や抵抗)が光照射により、また電場印加によりどのような変化を示すかを調べた。また超イオン伝導性を示すヨウ化銀およびヨウ化銀を含む混合ガラスの電気伝導度の光照射効果を測定し、電子伝導のみならず、イオン伝導性が光照射効果を示すことを見いだした。
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