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2003 年度 実績報告書

ガラスや蛋白質などのフラストレートした系のエネルギーランドスケープと2次元分光

研究課題

研究課題/領域番号 15205005
研究種目

基盤研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

谷村 吉隆  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20270465)

キーワード2次元分光 / ガラス状態 / 自由エネルギー面 / ボゾンピーク / ラマン分光 / マルチカノニカル / 分子動力学 / 赤外分光
研究概要

本年度は(1)双極子ガラスやスピン系などのフラストレートした系の自由エネルギー面を描く基礎理論の調査と、プログラム作成、(2)ガラス状態を再現するポテンシャルを用いた単原子分子のMDシミュレーションのプログラム構築を行った。(1)は自由エネルギー面がダイナミックスにどのように反映するかを調べる本研究の基礎となる重要な過程で、非常に多くの自由度を持ち、強いフラストレーションのために状態が局在化しやすいガラス状態の自由エネルギー面を調べるために、レプリカ交換モンテカルロ法やマルチカノニカル法を用いて状態の探査を行った。その結果レプリカ交換法では自由エネルギー面を書くのに十分な状態探査は出来なかったが、マルチカノニカル法なら可能であることが分かった。ダイナミックについてもモンテカルロ法による初歩的な計算を始めている。(1)はモデル系に関する探査であるが、より現実的な系との比較も理論の信頼性を増す上で重要であり、さらにモデル系でわかった現象を現実的な実験観測量としてフィードバックすることを目指し行っている研究である。単原子分子であっても、ポテンシャルの形によってはボゾンピークなどのガラス的挙動を示すモデルが知られており、この研究ではレナード・ジョーズなどの通常のポテンシャルで再現される現象や、高分子やシリカガラスなどの観測されるガラス的挙動と、このモデルの挙動の違いを2次元分光を用いて探査することを目指している。基礎的なプログラムが完成し、2次元分光シグナルを計算するためにプログラムの拡張を行っている。プログラムは容易に高分子ガラスや水などにも拡張出来るように作成されている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Suzuki, Y.Tanimura: "Two-dimensional spectroscopy for two-dimensional rotator coupled to a Gaussian-Markovian noise bath"Journal of Chemical Physics. 119. 1650-1660 (2003)

  • [文献書誌] O.Khun, Y.Tanimura: "Two-dimensional vibrational spectroscopy of a double minimum system in a dissipative environment"Journal of Chemical Physics. 119. 2155-2164 (2003)

  • [文献書誌] K.Okumura, Y.Tanimura: "Energy-level diagrams & their contribution to 5th-order Raman and 2nd-order infrared responses : 【triple bond】"Journal of Physical Chemistry. A107. 8092-8105 (2003)

  • [文献書誌] T.Kato, Y.Tanimura: "Two-dimensional Raman and infrared vibrational spectroscopy for a harmonic oscillator system nonlinearly coupled with a colored noise bath"Journal of Chemical Physics. 120. 260-271 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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