研究課題/領域番号 |
15205012
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
脇田 久伸 福岡大学, 理学部, 教授 (50078581)
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研究分担者 |
栗崎 敏 福岡大学, 理学部, 助手 (20268973)
谷口 一雄 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (50076832)
渡部 孝 (株)コベルコ科研, 物理解析部, 主幹研究員
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キーワード | 実験室系 / 超軟X線分光 / 装置開発 / 軽元素試料測定 / ポリフィリン / TiO_2 / シンクロトロン / XANESスペクトル |
研究概要 |
本年度は実験室超軟X線分光スペクトル測定装置全体の完成と性能評価を行った。まず、スペクトル測定装置用の溶液試料測定装置の基本設計は海外共同研究者Perera博士とALSグループとの共同研究として行った。また、試料測定装置の製作およびスペクトル測定装置の改良はEUV Technology社に全面的協力を仰いで行った。設計ならびに製作途中で部品調達など多少時間的な制約があったが、粉末試料だけではなく溶液試料の測定が可能な試料測定装置を開発できた。なお、海外での装置製作のため関税および消費税がその他の経費として必要となった。また、試料測定装置の基本設計とスペクトル測定装置の改良のために本年度4月にアメリカでの打合わせを必要としたため、その海外旅費を他の予算から捻出した。その結果、今年度は本経費から海外旅費を使用する必要が無くなった。 今年度製作した試料測定装置を昨年度製作したスペクトル測定装置に接続しその動作の確認を行った。製作した試料測定装置を用い標準試料の測定を行った。さらに性能評価を行うために使用する試料としてポリフィリンなどの各種ポリアザ化合物とその金属錯体や新規TiO_2試料の合成や調整を行い、分子科学研究所のUV-SORなどでこれら試料の超軟X線分光スペクトルの測定を行った。測定結果はDV-Xα分子軌道法やGaussian98などのプログラムを用いて解析し結果を公表した。得られた解析結果は今回作成した試料測定装置の性能評価を行うための標準として用いた。本装置によって得られたスペクトルは測定範囲内ではシンクロトロン光施設で得られたスペクトルと遜色がなかった。本研究によって実験室レベルでシンクロトロン光施設と同等の軟X線分光スペクトルが得られることを示し、本装置全体が軽元素を主体とした高機能物質の解析・評価に大いに貢献することが分かった。
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