研究課題
数10〜100nmの構造周期性を有する高次構造制御を施したセラミックスナノ構造体を液相析出法(Liquid Phase Deposition : LPD法)により生成し、その光学的・物理化学的物性について評価することを目的とした。前年度にシリコンなどの耐腐食性を有する材料にサブミクロンレベルのパターンニングを施した基板を用いて液相析出法により酸化物薄膜を作製したが、この基板のデザインをするための電子描画およびそのレジスト形状をテンプレートとして、ナノトンネル構造を作製することが可能となった。一方、酸化タングステン薄膜をタングステンフッ化物錯体を溶解させた水溶液から析出させる方法にっいて確立し、酸化タングステン薄膜の成長において基板材料に依存することが明らかとなった。すなわち、Nesaガラス、ITOガラス、Si基板、アルミナ基板等には析出するが、ガラス基板については析出を生じないことが認められた。さらに、形状加工における材料選択に関する最適化、およびテンプレートパターンの作製条件に関する最適化を試みた。今回、金を含有する反応溶液を用い、金微粒子が含有されたTiO2がテンプレートの空隙に形状を反転させたセラミックナノ構造体が得られることが明らかとなった。この場合、ポリスチレンにより作製した単分散コロイドは金微粒子存在下で加熱すると熱分解の際に酸素を消費するため、TiO2が還元され、TiO2-xとなることが示唆される結果を得た。以上の結果より、量産化を目的としたテンプレート形状制御およびテンプレート作成技術を確立した。
すべて 2004
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