研究課題
数10〜100nmの構造周期性を有する高次構造制御を施したセラミックスナノ構造体を液相析出法(Liquid Phase Deposition : LPD法)により作製するためのテンプレート材料をシリコンなどの耐腐食性を有する材料にDeep-RIE法を用いてサブミクロンレベルのパターンニングを施した基板を作製し、その基板をテンプレートとして液相析出法により酸化物薄膜を作製した。最大アスペクト比30程度のトレンチ構造およびピラー構造が作製可能となり、その形状を転写することによって、高次構造を有するナノスケールの酸化物構造体の作製が可能となった。また、単分散ポリスチレンテンプレートを用いて得られた反転オパール構造を有する金属酸化物の様々な角度での可視紫外絶対反射スペクトル測定により、反転オパール構造に起因するストップバンドによる反射ピークが確認され、角度の増加に伴って低波長側へシフトすることから、三次元において周期構造が保持されているとともに、テンプレート構造と同等のフォトニックバンドギャップを有する薄膜が合成可能であることが明らかとなった。一方、結晶形状に関して特有の結晶成長を示す酸化物としてモリブデン酸化物薄膜の作製を試みた。このモリブデン酸化物は触媒やガスセンサ、エレクトロクロミックデバイスなどの分野において適用が期待されている。これらは担体に担持するか、第2成分を添加することにより触媒活性を高める方法がとられていることから、液相析出法によりMo酸化物薄膜を調製した。反応溶液にH_2MoO_4を用いた場合は六方晶のMoO_3が析出したのに対して、MoO_3水溶液を用いた場合は三斜晶のMoO_3・nH_2Oが析出した。さらにMoO_3(HF)-H_3BO_3系で得られた試料においては配向性よく結晶が成長している像が観察された。焼成後も構造は崩れることなく、XRD測定から斜方晶のMoO_3に帰属されるピークが確認された。
すべて 2005
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