研究概要 |
GaN系およびGaInN系ナイトライドは、本申請者等が開発した低温堆積層によるサファイア基板の表面制御法が世界標準となり、既に青色LED、緑色LED、白色LEDや紫色LDなどへ応用され、実用化している。ナイトライドの応用は可視光に留まらない。癌細胞・殺菌への照射死滅・DNA選別、近視治療、皮膚病治療など生体応用、色彩制御型高効率・長寿命・高性能照明等への応用、エキシマレーザを代替する超高精細加工等、紫外〜深紫外発光素子はAlN系ナイトライドによってのみ実現可能である。従来、AlN系ナイトライドは1,200℃程度で製膜が行われていたが、本申請者は独自の表面泳動の実験より、高品質エピタキシャルAlN膜を得るためには、(1)AlN基板上に製膜すること、および(2)1,800℃以上の高温で製膜することが必要であることを見出した。本研究の目的は、結晶品質としてはいまだ未開拓の超ワイドギャップAlN系半導体の開発のため、 1.AlN基板の開発 2.AlN基板上への超高温MOVPE法による低転位AlN薄膜の成長、および 3.低転位AlN薄膜上へのAlGaN量子構造による深紫外発光・受光素子の開発を目指す。 本年度は、サファイア基板上に1,200〜1,500℃にてAlNの成長を行った。V/III比を従来の1/10程度にすることにより、5μm/h以上の成長速度を実現した。表面は原子ステップが明瞭に観察されるなど原子レベルで平坦であった。サファイア基板および成長したAlNにRIEにて溝を掘り、その上にAlNを再成長することにより、AlNでは初めてELOを確認した。
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